ManiMeが3Dモデルで顧客の爪に合わせたネイルシールを販売開始

ハイテクなネイルシールを開発したスタートアップのManiMe(マニミー)が、VCファンドで260万ドル(約2億8000万円)を調達し、ビジネスを開始した。

このラウンドを主導したCanaan PartnersのMaha Ibrahim(マハ・イブラヒム)氏はこれまでに、The RealRealや高級eコマースサイトのCuyana(クヤナ)に初期投資している。ManiMeは機械学習で顧客ひとりひとりの爪の3Dモデルを制作し、ジェルをレーザーカットして完璧にフィットするネイルシールを作る。同社の共同創業者でCEOのJooyeon Song(ジョヨン・ソン)氏によれば、ネイルシールは「家でできる最も簡単なマニキュア」として消費者に直接配送されるという。

ManiMeの共同創業者、David Miro Llopis氏(左)とJooyeon Song氏

先週から販売を始めたManiMeは、サブスクリプションのビジネスモデルを採用してネイルシールを定期的に届ける。価格は1セットあたり15〜25ドル(約1600〜2700円)で、デザインの複雑さによって価格が異なる。シールは10〜14日間もつ(再利用はできない)。ManiMeのネイルシールは必ずしもお金の節約にはならないが、月に2回ネイルサロンに行って1時間ずつかかるとすれば時間の節約にはなる。ManiMeのネイルシールを貼るのはわずか5分だ。

ソン氏は、COOのDavid Miro Llopis(デビッド・ミロ・ロピス)氏と共同でManiMeを創業した。2人はスタンフォード大学のMBAのクラスで知り合い、ここ2年間でManiMeのための3Dテクノロジーを開発してきた。Statistaの調査によれば米国で2018年にネイルサロンのサービスに支払われた金額はおよそ85億ドル(9250億円)とのことだが、一般にネイルのイノベーションにVCは投資しない。

ManiMeのネイルシールを実際に試したわけではないが、創業者たちの話のとおりの優れたものであるなら米国のネイル市場を変えるチャンスがあるだろう。ソン氏は「カテゴリーキラー」になる野望はあるものの、ManiMeは最終的には既存のネイルサロンを補うものとなり、いずれネイルサロンはManiMeのネイルシールを顧客に貼るサービスをするかもしれないという。

ソン氏はTechCrunchに対し「わが社のミッションは、私たちのテクノロジーを使って女性の生活を快適にすることだ」と語る。

ManiMeのネイルシールを購入するには、ショップのメンバーカードのような大きさがわかっているカードに爪を乗せて写真を5枚撮って送り、同社のギャラリーからアートを選ぶ。すると3〜4日で配送される。韓国製のジェルを素材として使っていて有害な化学物質を含まない。これは危険な化学物質でいっぱいの多くのネイルサロンとの差別化ポイントだ。米国では有害物質が原因でネイリストに健康被害が出ているとニューヨークタイムズが報じて問題となっている。

ManiMeは、販売サイトでネイルのインフルエンサーがデザインしたネイルアートを紹介する計画だ。顧客がインフルエンサーのデザインを選んだら、同社は契約に基づいて売上の一部をインフルエンサーに支払う。インフルエンサーにとっては自分の作品をマネタイズするチャンスであり、ManiMeを自分のソーシャルメディアプラットフォームでプロモーションすることになる。

Trinity Ventures、Techstars、NFXもManiMeを支援している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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