Mediumがソーシャル読書アプリの「Glose」を買収、電子書籍販売や教育分野に事業拡大か

Mediumは、パリに拠点を置くスタートアップのGloseを非公開の金額で買収すると発表した。Gloseは、デバイス上で本を購入したり、ダウンロードしたり、読んだりできるiOS、Android、ウェブアプリを構築してきた。

Gloseは本棚を作ったり、フォロワーとメモを共有したり、余白で会話を始めたりすることができる読書アプリで、同社は読書をマルチプレイヤー体験に変えた。確かに、Goodreadsのような本について会話できるソーシャルプラットフォームは存在する。しかし、Gloseの差別化ポイントは、ソーシャル機能が読書機能と本質的にリンクしていることであり、それらは2つの別々のプラットフォームではないところだ。また、例えば連続リワードというような、難しい本を読むときにモチベーションを維持するのに役立つゲーミフィケーション機能もある。

多くの点で、Gloseのワンタップハイライト機能やコメント機能は、Mediumの機能を彷彿とさせる。スマホやタブレットの他の読書アプリでもテキストをハイライトすることはできるが、それをさらにどうにかすることはできない。

最近になって、Gloseは「Glose Education」という別のサービスを開始した。その名が示すように、こちらは大学や高校向けのサービスだ。教師は課題を配ることができ、生徒たちはグループとして本を読むことができる。

100万人以上のユーザーがGloseを使用したことがあり、スタンフォード大学やコロンビア大学を含む25校の大学がGlose Educationと契約している。

しかし、Gloseは単なるソフトウェアだけの事業ではない。同社は、総合的な書店も運営している。2万社の出版社と提携しているので、アプリから直接電子書籍を購入することができる。

また、今学期にVirginia Wolf(ヴァージニア・ウルフ)を勉強している場合、Gloseは何十万冊ものパブリックドメインの本を無料で提供。さらにGloseはオーディオブックにも対応している。

Mediumが記事やブログを超えて拡大することを計画している中、これは最も興味深い部分だろう。Gloseは今のところ存在し続けるが、Mediumの方も、電子書籍とオーディオブックを同サービスに統合することを計画している。

多作なブロガーの多くは本の著者でもあるので、これは賢い動きだ。現在、彼らはMediumでブログ記事を書き、読者がライターの本を購入したい場合は、サードパーティのサイトにリンクしている。著者が書いたものをすべてホストする機能を持つことは、コンテンツ制作者と読者の両方にとってより良い経験になる。

「我々はGloseの読書プロダクツや技術だけでなく、本の著者や出版社と提携した経験にも感銘を受けています」とMediumのCEOであるEv Williams(エブ・ウィリアムズ)氏は声明の中で述べている。「本はアイデアを探求するための手段、深化への道です。世界のアイデアの大部分は本や雑誌に保存されていますが、検索も共有もほとんどできません。Gloseとともに、Mediumの大規模なネットワークを利用する読者やライターの体験を向上させたいと考えています。Gloseチームと協力して、出版社と提携し、著者がより多くの読者にリーチできるよう支援していきたいと考えています」。

Gloseチームはパリに残る予定で、Mediumは米国外に初のオフィスを開設することになる。Gloseは今後も著者、出版社、学校、機関とのパートナーシップを続けていくという。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MediumGlose買収

画像クレジット:Glose

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(翻訳:Nakazato)