Meeboファウンダーで元Google幹部が在宅介助ネットワークHonorを開発―a16zを中心に2000万ドル調達


Seth Sternberg Honor

〔この記事の執筆はMather Lynley〕

Seth Sternbergはメッセージ・サービスのMeeboの共同ファウンダーで、Googleに 1億ドルで買収された後、同社でGoogle+プラットフォームの責任者を務めた。Sternbergは昨年Googleを離れた後、Honorという高齢者の在宅介助の情報システムの構築に取り組んでいたが、このほど潤沢な資金の調達に成功した。

介助職員と高齢者、その家族を結びつけるネットワークのHonorは、シリコンバレーの一流ベンチャーキャピタルから2000万ドルを調達した。このうち1500万ドルはAndreessen-Horowitzが出資した。Marc AndreessenはNingを経営していた時期にMeeboに投資したことがある。他の投資家にはYelpのファウンダー、CEOのJeremy Stoppelman、PayPalマフィアの一人でSlideのファウンダー、Max Levchinなどがいる。ちなみにLevchinもSlideをGoogleに売却している。

Honorは高齢者にHonor Frameという情報を提供する。これには介助職員の名前や自宅訪問予定が表示される。担当する介助職員は専門的技能によって選ばれ、家族も担当者、提供されるサービスの内容、提供されたサービスの実績など介助の内容について詳しく知ることができる。

われわれはベイエリアのContra Costa郡でおよそ100人の介助職員とベータテストを準備中のSternbergに電話インタビューを行った。Sternbergによれば、このサービスのアイディアを思いついたのはコネティカット州に住む母親を訪問したときだったという。

「実はうちのママは運転が下手だ。そこで私は『これは困った。ママがだんだん歳をとって本当に運転できなくなったららどうしたものだろう?』と考えた。私はカリフォルニアに住んでいるし、ママはコネティカットだ。しかしどうしても必要というのでない限り、ママに住み慣れた家を出てカリフォルニアに引っ越すようには言いたくなかった」

高齢者の在宅介助は一大産業だ。Honorが専門とするのは医療介護ではなく、身の回りの世話や食事の介助など高齢者が自宅で暮らすのを手助けするサービスの組織化だ。しかしSternbergによると、こうした非医療介護に携わる労働者の平均賃金は時給9.50ドル程度だという。しかしHonorは契約介助員に15ドルの最低賃金を保証する。もちろんこの種のサービスはCareZappなどすでにいくつか存在する。

「私が体験したところでは、介助職員はルーズリーフのノートに引き継ぎ事項を書き込んで、次の担当者のためにキッチンのテーブルの上に置いておく、というやり方だった。スケジュール管理を紙とペンでやっていたのでは事業をスケールできないことは明らかだ。こんな方法では200人の介助職員を管理することなど無理だろう。しかし200人以上の介助のプロをネットワークしない限り、たとえば中国語が話せるなど高齢者の特定のニーズに応じた技能を持った職員を派遣することはむずかしい」とSternbergは説明する。

SternbergはGoogleで膨大な数のユーザーを対象にスケールするプロダクトの開発、運営の指揮を取り、多くのことを学んだ。Sternbergは将来Honorが200万人の介助員のネットワークとなることを期待している。Honorは当面、高齢者介助を中心にサービスを展開するが、将来は同様のメカニズムが有効な他の分野への拡張も考えている。

Sternbergは朝食を取りながらAndreessenにアイディアを説明したところ、Andreessenはすぐに魅了されたという。Andreessenは深夜2時にメールを送ってきて新しいアイディアを提案するなど熱心に応援した。そして最後には巨額の小切手を送ってきた。

Honorは今月中にContra Costa郡でベータテストを開始する。その後テスト範囲をサンフランシスコにも拡大する予定だという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook <A href=

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TechCrunch Japan

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