MessengerボットがPayPalの支払い機能に対応、取引履歴の確認もできる

facebook-messenger-payments

PayPalはFacebookとの関係性を深めているようだ。Messengerには様々な機能があるが、今回新たにPayPalの決済手段が加わった。増え続けるMessengerのオンライン商店のチャットボットを介してユーザーが何か購入する時、PayPalの支払いサービスを利用することができるようになる。この提携の一環として、PayPalのアカウントとFacebook、およびMessengerとの連携が簡単になる。また、アメリカのMessengerユーザーは、PayPal上での取引に関する通知などを受け取る機能も実装する。

PayPalとMessengerとの機能連携は少し前に発表していた内容だ

FacebookはMessengerでの決済機能を少数の開発者とベータ検証を行っていて、年末まで決済機能を広く展開する予定と伝えていた。カスタマーは以前からFacebookやMessengerに登録した支払い情報を使って決済することができたので、PayPalだけがMessengerでの唯一の決済手段ということではない。

また、FacebookはPayPalとPayPalが所有するBraintreeに限らずStripe、Visa、MasterCard、American Expressとも機能連携を進めていると伝える。

paypal-messenger

それでも、Messengerとの連携はPayPalにとって重要な一歩だ。Messengerの圧倒的なユーザーベースに露出することにはメリットがある。PayPalは世界で1億9200万人のユーザーがいるという。一方、Messengerは今年の初めに10億ユーザーを達成したとし、アメリカのモバイルユーザーのおよそ40%がFacebookのメッセージプラットフォームに登録していると報告している。

だが、ひとまずPayPalとMessengerの機能連携はアメリカ市場にフォーカスするようだ。PayPalはアメリカのユーザーに対してのみMessengerの支払いオプションを展開する。PayPalでの取引履歴とレシートにMessengerからアクセスできるのもアメリカのユーザーのみだ。

しかし、今後それも変えていく予定でいる。PayPalはアメリカから機能連携を「始める」と伝えた。海外展開における具体的なスケジュールについてはコメントを差し控えたが、PayPalは現在「いつ、どのように」他の国にも展開するか検討していると話す。

Messengerとの機能連携は、今日からアメリカで展開を始めるとPayPalは伝える。

Facebookはしばらく前から決済手段の実装に取り組んでいた。2015年の春にはMessengerのユーザーが自分のVisaやMasterCardの決済情報をチャットアプリに登録し、友人間でのピアツーピアー決済ができる機能を実装した。これは、Snapchatの決済手段、Squareが持つピアツーピアーの決済手段(Square Cash)、Google Wallet、そしてPayPalと彼らが持つVenmoアプリに対抗するための機能だ。

今回の提携で、Facebookは競合との差を埋めているように見えるが、同社は以前決済ビジネスを構築することに興味はないと話してる。

FacebookとPayPalは過去にも、決済機能の取り組みで提携してきた。最近、MessengerはUberとの機能連携を行い、Facebookのメッセージアプリからタクシーを配車することができるようになった。ここでは、PayPalが所有するBraintreeが決済を担っている。

また、企業もFacebook広告を購入したり、Facebookページの「ショップ」セクションで商品を直接販売したりするのにPayPalを使っている。また、Facebookが所有するOculusのサイトの決済方法もPayPalでの支払いに対応している。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website