MICINが外科手術患者の手術前から退院までの期間・周術期をケアするアプリ「MedBridge」を開発

MICINが外科手術患者の手術前から退院までの期間・周術期をケアするアプリ「MedBridge」を開発

オンライン診療やデジタルセラピューティクスなどの技術開発と提供を行うヘルステック企業MICIN(マイシン)は6月21日、外科手術を受ける患者の周術期ケアを行うアプリ「MedBridge」(メドブリッジ)の開発を発表した。また、心臓血管外科手術を受ける患者の周術期ケアアプリ「MedBridge heart care」(ハートケア)を7月から地域限定で提供開始すると明らかにした。

周術期とは、手術前から退院までの期間をいう。しかし外科手術の分野では、開胸しない低侵襲化などの技術進歩により手術患者の入院日数が短縮され、早期退院した患者による自宅でのセルフケアが重要になっているという(侵襲は、身体的負担といった意味の医学用語)。また、「術前からセルフケアを行い術後に備えること」や、退院後の生活習慣を適切に保つことが日常生活への復帰を早めるといわれている。そこで、「周術期ケアに取り組むことは、術式の進歩と並行して大切」との考えから、MICINはこのアプリの開発に着手した。MICINが外科手術患者の手術前から退院までの期間・周術期をケアするアプリ「MedBridge」を開発またMedBridge heart careについては、MedBridgeのローンチに先駆け7月から地域限定で提供を開始する。MedBridge heart careは、患者が使用するモバイルアプリと、医療機関が使用するウェブシステムで構成される。患者には次のような利点がある。

  • アプリから周術期に必要な情報を入手し学習できる
  • 自身の医療や健康に関する情報を一元管理するPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)を自宅で記録することで、体調管理の習慣が身に付く
  • PHRをつけておくことで、退院後の診察時に回復の経過を医師に伝えやすくなる
  • PHRを家族と共有するこで、家族・周囲の方が安心して見守りを行える
  • 患者の在宅時の情報について主治医とも共有を行え、診療の効率化と質の向上が期待できる

MICINでは、アプリ開発に先立ち、2020年6月から東京ベイ・浦安市川医療センター、オムロン ヘルスケアとの協力で実証実験を行ってきた。MedBridge heart careは、ビジネスモデルの検証などを行った後に全国展開する予定。

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カテゴリー:ヘルステック
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