MicrosoftがPostgreSQLデータベースを加速するCitus Dataを買収、顧客をAzure化か

Microsoftが今日(米国時間1/24)、Citus Data買収したことを発表した。Citus Dataは、PostgreSQLデータベースのスピードとスケーラビリティの向上をサービスとして提供している。同社のPostgreSQLエクステンションはオープンソースのプロダクトで、PostgreSQLデータベースを分散データベースに変換する。NoSQLやドキュメントストアが騒がれている今日でも、リレーショナルデータベース、とくにPostgreSQLは今だに成長市場であり、その理由の一部は、Citusのような企業が、その限界を克服するツールを提供しているからだ。

当然ながらMicrosoftのねらいは、Citus Dataのチームとの協働により“Azureの重要なエンタープライズ機能のPostgreSQLへのデリバリを加速し、重要なPostgreSQLワークロードが確実にAzure上で動くようにする”ことだ〔PostgreSQLユーザーのAzure化〕。Citusの協同ファウンダーたちも、彼らの声明文で同じようなことを言っている: “Microsoftの一員としてわれわれはこれからもPostgreSQLをベースとする素晴らしいデータベースの構築に力を入れ、ユーザーに画期的なスケーラビリティとパフォーマンスおよび彼らが必要とする障害時自己回復力を提供していく。われわれは、この分野におけるイノベーションの推進を継続する”。

PostgreSQLは言うまでもなくオープンソースのツールで、そしてMicrosoftも今やオープンソースの主要なコントリビューターであることは周知の事実だから当然かもしれないが、同社はPostgreSQLのコミュニティとの協働も強調している。Microsoftのスポークスパーソンの言い方では、“この買収は弊社のオープンソースへのコミットメントの証(あかし)であり、Azure PostgreSQLのパフォーマンスとスケーラビリティの向上が目的である”、となる。

Citusの現在の顧客は、リアルタイムアナリティクスのChartbeatや、メールのセキュリティサービスAgari、そしてPushOwlなどだ。名前は挙げないが、Fortune 100社企業も多いという。同社はクラウドからのDBaaS(database as a service)とオンプレミスのエンタープライズバージョンの両方を提供している。そして無料のオープンソースエディションもある。今後も当分それは変らないが、Microsoftは徐々に、CitusがホストしているサービスをAzureへ移行させていくのではないか。

買収の価額は公表されていない。2010年に創業したCitus DataはY Combinatorのインキュベータ事業を卒業し、これまでKhosla Ventures、SV Angel、Data Collectiveなどから1300万ドルを調達している。

関連記事: CitusDBがPostgreSQL用の列取り出しツールをオープンソースで提供開始, 複雑なクェリの効率をアップ

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。