Microsoftの自律グライダーは上昇気流を自力で探し空を舞う

Microsoftは、飛行するためにエネルギーをほとんどあるいは全く必要としない、自律飛行技術を開発したいと考えている。同社は、自己誘導システムを搭載したグライダーのテストを、ネバダ州の砂漠で完了したばかりだ。この自己誘導システムは、可能な限り長時間空中に止まることを目標に、気流の上昇する地点を追跡し、その動きを予測するものだ。

今回のテストは、空を舞うためのMicrosoftのシステムが、とても有望であることを示した。New York Timesは試験機がうまく飛べたことを報告した。これにより熱上昇気流がこの先どこで発生するかを予測する数式の正しさが証明された。この数式は自律飛行機が学習に基いて利用するもので、研究者たちによって開発されたものだ。しかし今回は、セールプレーン(グライダーの別名)による1回の滞空時間の記録を破るという最終目標にはわずかながら及ばなかった。

その記録は5時間を超えるものだが、Microsoftのテストチームは2日間に及ぶテストの中で、装置の問題のためにその目標に到達することはできなかった。しかし、このテスト結果は、彼らの自律飛行へのアプローチが正しい方向へ進んでいることを示した。それはシステムが無人飛行を行う際に出逢う最大の問題 − 不確実性 − への対処である。

気象システムは、熱上昇気流などを、ある程度の正確さで予測することができるが、それは確実なものとは言い難い。事前マッピングと経路計画で、空気循環の変化を完全に予測することはできない。したがって、自律飛行システムを持つグライダーは、次の熱上昇気流が飛行経路上のどこに現れるのかを予測できなければならない、そうすることで高度を維持するために上昇気流のから上昇気流を渡り歩いて行けるのだ。

もちろん不確実性への対処は、グライダー以外にも応用できる。あるシナリオに対処できる効果的なツールであれば、他の領域にも適用することができるだろう。さらに、無人で省エネルギーの飛行機を飛行させようとするMicrosoftの仕事は、未開地へのインターネットの提供や、リアルタイムの地表状況並びに天候のモニターなど多くの計画に大きなインパクトを与える可能性がある。

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(翻訳:Sako)