MicrosoftのPaint 3Dはシンプルな3Dモデリング入門アプリ

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不思議な感じがするかもしれないが、Microsoft Paintが再び注目を浴びている。 初代Windowsに導入されてから31年が経ち、Paintはこれまでで最大級の変化をとげようとしている。Microsoftは、未来のハードウェアやソフトウェアで鍵を握ることとなる3Dエコシステムの中心にPaintを置こうとしているのだ。

もしもSurface Studioの素晴らしいハードウェア上にインストールされている、最新バージョンのWindowsに触れる機会があれば、Paint 3Dの堂々とした見た目にも関わらず、その根幹はPaintのままであることを覚えておいてほしい。つまり、Paint 3Dは3Dグラフィックを扱えるようになったとは言え、依然エントリーレベルの画像編集アプリなのだ。

以前のバージョンのPaintに触れたことがある人(恐らくWindowsマシンに触れたことがある人全員)であれば、Paint 3Dをとても身近に感じられるだろう。しかし3D Paintでは、指やスタイラスペンを使って描いたシンプルなイメージに奥行きを加えることができる。

宣伝されている通り、3D Paintは予備知識無しでも簡単に使うことができる。イメージに奥行きを加えるのもボタンをクリックするだけだ。一旦イメージを3Dにすれば、店頭に並んだ360度画像を扱う製品に備えられているスライダーのように、イメージの下部に設置されているアクセスボタンを指でスワイプするだけで、いろんな角度から3Dモデルを確認することができる。

もちろんこれまでのPaintと同じで、最終的な画像の出来は使い手次第だ。そのため、3D空間で絵を描くことができても、それが傑作になるかどうかはユーザーにかかっている。それでもシンプルなイメージを作る場合には、好みのサイズに応じてツールをドラッグするだけで正確に図形を描くことができる。さらにMicrosoftはサードパーティー製の3Dモデルも用意しているので、他のアーティストに難しい部分はお願いして、ドラッグアンドドロップで3Dモデルをキャンバスに加えることも可能だ。

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また、オブジェクトを描き終わった後の飾りつけ用にステッカーも準備されている。例えば、私がデモで作った絵文字の3Dモデルに笑顔のスタンプを貼り付けるといったように、スタンプを使えば3Dオブジェクトに2Dのディテールを付け加えることができる。また、これまで標準装備されていたブラシや塗りつぶしといった色付け機能はそのまま残っているが、サードパーティー製の3Dイメージには上手く使えないので注意してほしい(そもそも私の3D絵文字のハットを赤く塗りつぶす必要はないのかもしれないが)。

そしてPaint 3Dは、他のベーシックな3Dモデリングソフト同様ある問題を抱えている。その問題とは、オブジェクトが2D平面に表示されるため奥行きの感覚が掴みづらく、各オブジェクトの位置を調整するのが難しいということだ。さらに、当然のことではあるが、このアプリケーションには極めて基本的な3D機能しか搭載されていないため、既にCADソフトの知識がある人は物足りなく感じるだろう。その代わりにMicrosoftの狙いは、3Dグラフィックを作ることへの関心を消費者に持たせることにあり、恐らくRemixのソーシャルな側面がこの動きを後押しすることになる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

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