Microsoft Azureでサーバーの専有利用が可能に

米国時間8月2日、Microsoft(マイクロソフト)は、Azure Dedicated Host(Azure専用ホスト)のプレビューリリースを発表した。これはシングルテナントの物理サーバー上で複数の仮想マシンを実行できる、新しいクラウドサービスである。すなわち、顧客はそのサーバー上のリソースを他の誰とも共有せず、そのマシンで実行されるものすべてを完全に制御することができる。

これまでにもAzureは、2つの非常に大きな仮想マシンタイプの分離型仮想マシンを提供していた。これらもまだ利用可能だが、その使い勝手は、今回の遥かに高い柔軟性を提供する新しいホスト機能と比べると、比較的制限されたものである。

今回の動きで、MicrosoftはAWSの足跡をたどろうとしている。AWSは既に非常に似通った機能であるDedicated Hosts(専用ホスト)を提供しているのだ。なおGoogle Cloudも同様に「 単一テナントノード 」(sole-tenant nodes)と呼ばれるものを提供している。

Azure Dedicated Hostは、Windows、Linux、およびSQL Serverの仮想マシンをサポートする。価格はホストごとに決定され、そのホスト上で最終的に実行される仮想マシンの数には影響されない。現在、最大48個の物理コアを持つマシンを選択でき、価格は1時間あたり4.039ドルからだ。

これを実現するために、Microsoftは2種類の異なるプロセッサーを提供している。Type 1は、最大3.5 GHzのクロック速度の2.3 GHz Intel Xeon E5-2673 v4をベースにしている。一方Type 2は、最大3.7 GHzのシングルコアクロック速度を持つIntelXeon® Platinum 8168を採用している。利用可能なメモリの範囲は144GB〜448GBだ。詳細はここで参照できる

Microsoftが指摘しているように、これらの新しい専用ホストは、企業が物理的なセキュリティ、データの整合性、および監視に関するコンプライアンス要件を満たすのに役立つ。専用ホストは、Azureデータセンター内の他のホストと同じ基本的インフラストラクチャを引き続き共有するが、ユーザーは、自分のサーバーに影響を与える可能性のある保守機能を完全に制御することができる。

これらの専用ホストは、特定のAzureリージョン内で、より大きなホストグループの中にグループ化することも可能だ。これにより、Azureデータセンター内に独自の物理サーバーのクラスターを構築することができる。実際の物理マシンをレンタルしているため、そのマシン上で起きるハードウェア問題は、そこで実行されている仮想マシンに影響を与える。このため結局は、フェイルオーバー戦略のために複数の専有ホストが必要となるだろう。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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