Microsoft Teamsが3Dアニメーション・アバターを採用、メタバースを目指す

Microsoft(マイクロソフト)もメタバースに一枚加わりたいようで、本日(米国時間11月2日)のIgnite(イグナイト)カンファレンスで同社は、Teams(チームズ)で顔を出したくない参加者のための3Dアバターを発表した。このパーソナライズされたアニメーション・アバターは、Microsoftが “Mesh for Teams” (メッシュ・フォー・チームズ)と呼んでいるものの一環だ。Mesh for TeamsはMeshプラットフォームWindows Live Meshとは別物なので間違えないように)を使って外部の仮想現実や拡張現実で共有されている体験を、Teamsやその生産性ツールと組み合わせるしくみだ。それは1通のメールで済んだはずのミーティングと同じものだが、しかし同じではない。

Mesh for Teamsをアクセスするためには、スマートフォンからVRヘッドセットやHoloLens(ホロレンズ)まであらゆるものを利用できる。Microsoftは、これが生産性のためのメタバースである、という事実を隠すそぶりもなく、「オンライン会議をもっとパーソナルで魅力的で楽しいものにするように作られています」とMicrosoftのJohn Roach(ジョン・ローチ)氏がこの日の発表で言った。「そこはメタバースへの入り口でもあり、永続的なデジタルワールドには人、場所、物のデジタルな双子が居住しています。このメタバースを、インターネットの新しいバージョン、あるいは新しいビジョンと考えてください。そこでは人々がパーソナルなバーチャル・プレゼンスを使って、どのデバイスからでも集まり、話し合い、協力し、共有することができます」

そのビジョンでは、人々はやはり会議に参加しているが、前よりも楽しい、なぜならメタバースだから。ということなのだろう。

画像クレジット:Microsoft


「生産性と知識労働者に焦点を当ててきた会社にとって、それは顧客がわれわれに本当に求めていることであり、当社が12年間取り組んできた複合現実のビジョンとも一致しています。すべてが一体となって進んでいます」と、常に熱意に溢れるMicrosoftの技術フェロー、Alex Kipman(アレックス・キップマン)氏は言った。

今のところ、ほとんどのユーザーにとって、Meshは3Dのパーソナライズされたアバターが本人のしゃべりを真似している以上のものではなく、動きも伴わない。Microsoftによると、企業はTeams内に、独自のスペース(今われわれが使っている用語ならメタバース)を作ることもできて、そこでは人々がバーチャルに交わり協力できるということだ。

「そこには存在している感覚があります。たとえそれが、本人の音声をアバターの顔の動きで表しているだけであっても。これが最初のリリースです」とMicrosoftのMesh for Teams担当主席プロジェクト・マネージャー、Katie Kelly(ケイティー・ケリー)氏は書いている。「私たちの野望は、Microsoftの有り余るほどのAIテクノロジーを使ってこれを進化させていくことです。たとえばカメラを使って口の位置を推測し、頭と顔の動きを模倣することができます」

Accenture(アクセンチュア)はMicrsoftと共にこれをテストしている。同社は社員が「コーヒーやプレゼンテーション、パーティー、その他のイベントのために集まれる」バーチャル・キャンパスを作った。新入社員の研修にも利用している。Accentureは毎年10万人採用しているらしい。60万人の社員がいる同社で、メタバースがその離職率を改善できるのかどうかわからないが、高給取りのコンサルタントの会社なので、一番良く知っているのだろう。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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