MITが開発したナイロン製人工筋肉は気味が悪いほどSF的

MITの研究者が開発したナイロン素材の人工筋肉繊維は最終的にはロボットを動かすことを目指している。やがて二の腕に力こぶが盛り上がるロボットが登場するかもしれない。MITのナイロン筋肉はHBOのSFテレビドラマ、Westworldのオープニングで3Dプリンターから出力される人工筋肉フィラメントに気味が悪いほどそっくりだ。

そこでGizmodoその他のメディアはこれがWestworldに出てくるような人間そっくりのロボットを実現させるかもしれないと興奮している。

今回MITが開発した素材は、もちろん最初の人工筋肉繊維というわけではない、しかし既存の繊維とは異なり、製造が容易で低コストだ。開発にあたったMITの科学者によれば、ある種のナイロン繊維は加熱によって屈曲、収縮するためそのような動きを必要とする箇所に応用できるという。この繊維は加熱すると直径が太くなり、長さが縮む。これはまさにわれわれの筋肉繊維と同じ動作だ。ビデオにあるように、加熱する側面を選ぶことによって繊維の運動を精密にコントロールできる。

加熱箇所を連続的にコントロールすれば繊維に円運動、8の字運動といった複雑な繰り返し運動をさせることが可能になる。電気抵抗、化学反応、レーザー光の照射など加熱の熱源は何でもよい。これは利用の可能性を大きく広げる。

研究者はこの素材は当初ペンチのような動作をする保持器具やバイオメディカル分野のツールなどに利用できると考えている。もちろん長期的な可能性としてはWestworldのようなスーパー・リアリズムの人型ロボットを実現させることもあり得るだろう。そうなればテレビドラマをで描かれていたようなロボットと倫理という問題もまた浮上してくるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+