MIT大学院生たちが考案した、つけ爪型Bluetooth対応タッチパッド

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ディック・トレイシーの腕時計型無線機を見るまでもなく、なぜか人々は2つのテクノロジーをひとつにまとめ、それによってなんとなく「デキルヤツ」風にみせかけることが大好きだ。本日ご紹介するNailIOも、そうした発想から生まれてきたものだといって良いかもしれない。タッチパッドを親指につけるネイルチップに融合し、インタフェースの新局面を繰り広げようとするものだ。

具体的にはどういうものだろうか。簡単にいえばネイルチップ型ウェアラブルデバイスだ。このデバイスの上で線を描いたり、スワイプを行ったり、あるいは文字をタイプしたりすることができる。製作したのはMIT Media Labのリサーチャーたちだ。料理をしているときやウォーキングのとき、あるいは何か手作業をしているときにも邪魔にならないウェアラブルであると自賛している。

「目立たず、邪魔にならないデバイスです」と、MIT大学院で学ぶCindy Hsin-Liu Kaoは言う。「身につければ、ほとんど身体の一部のようにしか感じなくなります。もちろん取り外しも簡単ですから、身体に融合してしまうというわけではありません。ただ、自身の身体を動かすような感じで、外部デバイスを操作できるようになるのです」。

ネイルチップはアジア諸地域で流行しているアクセサリーだ。これをみたKaoが、アクセサリーをセンサーにしてしまおうと考えたのだ。バッテリーやBluetooth通信機能も備え、サイズは切手ほどのものとなっている。プロダクトはキッチンやオフィスワーク中など、さまざまなシチュエーションで試してみたのだそうだ。プロトタイプはタッチセンサーに回路をプリントして製作し、さらには表面に装飾用のステッカーを付けてみたりしたそうだ。

「一番難しかったのはアンテナの配置ですね」と、同じく大学院で学ぶArtem Dementyevは言う。「干渉しないような距離を稼ぐのがとても難しかったのです」とのこと。

親指の爪を使ってメールを書くような時代が迫っているのだろうか。そんなことはないだろう。ただ、モバイル時代が進化するにあたって、新しいインタフェースを用意しておくのはとても重要なことだ。Apple Watchとのペアで親指タッチパッドを使うことはないだろう。しかし、表立ってデバイスを扱えないようなシーンにて、すぐにも使い始めたいと考える人もいることだろう。親指を使うデバイスだけあって、なかなか「いいね」な未来を感じさせてくれる。

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(翻訳:Maeda, H

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TechCrunch Japan

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