Mobileyeが大邱でのロボタクシー運行で韓国と契約

Mobileye(モービルアイ)は米国時間1月7日、韓国の大邱市でロボタクシーサービスのテストを行い最終的に運行を目指す契約を結んだ。これまで同社は自動車メーカーに運転支援システム向けコンピュータービジョン技術を提供してきたが、今回の契約はそこから一歩前進しようとする戦略の一環だ。

CES 2020で発表されたこの契約で、Mobileyeは同社の自動運転システム(視覚、センサーフュージョン、 REMマッピングシステム、ソフトウェアアルゴリズム、運転ポリシーなど一式)を統合し、自動運転による「サービスとしてのモビリティ(MaaS)」を韓国で提供する計画だ。同システムの運転ポリシー、すなわち自動車の意思決定方式は、2017年にMobileyeが白書で発表した数学モデル、「Responsibility Sensitive Safety(RSS)」に基づいている。

Intelの子会社であるMobileyeは、衝突を防ぐコンピュータービジョンセンサーの開発元として、自動車業界の特定分野を長年支配している。同社はこのビジネスで10億ドル(約1100億円)近い売上げがあり、2019年に1750万台の自動車にこの技術が使われていると、Mobileyeの社長兼CEOでIntelの上級副社長、Amnon Shashua(アムノン・シャシュア)氏が本誌のインタビューで語った。

しかしここ数年、同社はマッピングおよび高レベルの自動運転のための完全自動運転スタックの開発に注力し始めた。MobileyeのREMマッピングシステムは、同社の技術を搭載した数百万台のクルマから情報集める一種のクラウドソーシングで、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転システムで利用できるデータを提供する。

2018年、Mobileyeは単なるサプライヤーからロボタクシーサービスの運行にも焦点を当て始めた。IntelとMobileyeは2018年5月にエルサレムで自動運転の試験を開始。それ以来同社は、Volkswagen(フォルクスワーゲン)とChampion Motors(チャンピオン・モーターズ)と提携した。3社はNew Mobilityjlaジョイントベンチャーをイスラエルで結成し、現地での自動運転ライドシェアリングの運用を計画している。

その後MobileyeはRATP(パリ交通公団)とも提携を行い、フランスへのロボタクシー進出を目指している。さらに同社は中国の電気自動車スタートアップ、Nioとも消費者が購入可能な自動運転車の開発に向けて2019年後半に契約を結んだ。この契約でNioは、中国およびその他の市場でMobileyeに車両を提供する。

米国時間1月7日、Mobileyeは中国の上海汽車集団(SAIC)が、レベル2+システム向けのマップを中国で作るためにREMマッピング技術を使用することを発表した。レベル2+は最新の業界標準で、幹線道路の走行が可能だが、特定の条件下では人間のドライバーが介入する必要がある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。