Mophieのワイヤレス充電システムCharge Forceレビュー

先月、Charge Forceと名付けられたワイヤレス充電システムを発表し、Mophieはワイヤレス充電こそが素晴らしいモノの未来だと謳っていた。理論上は、一日に何度も携帯電話に充電ケーブルを差し込むのが我慢できない人にとって、完璧な製品のように聞こえるが、本当に宣伝文句通りなのか確かめるため、製品を試してみることにした。

Charge Forceは、バッテリー内蔵ケースのJuice Pack(99.95ドル)、ワイヤレス充電ベース(39.95ドル)、車のエアコン吹き出し口に取り付けるベントマウント(59.95ドル)そしてデスクマウント(59.95ドル)でフルラインナップを構成している。節約したい人は、129.95ドルでJuice Packとワイヤレス充電ベースのセットも購入できる。

しっかりしているが大きすぎて無骨なケース

Mophie's desk stand looks fantastic, and can be turned sideways for Netflix binging on the move.

Mophieのデスクマウントは見た目も良く、横に向けてNetflixを楽しむこともできる。

アップデートされたJuice Packは、携帯電話の電池の持ちを向上させるのには素晴らしい製品だ。私の携帯電話を充電が空になった状態からでも、75%くらいまで充電することができ、これまでこの製品に救われたことが何回かある。また、Juice PackはQiとPMAどちらのワイヤレス充電規格にも対応しているので、カフェや車の中にワイヤレス充電ベースをみつけたら、このケースが使える可能性が高い。なんとも気が利いている。

私の携帯電話の充電が空になるのを救ってくれる以外の点では、私はこのケースがあまり好きではない。iPhone 6 Plus自体が持て余すほど大きいのに、Juice Packでさらに幅、高さ、厚み、そして言うまでもなく重さが加わり行き過ぎな感がある。実際、Juice Packで重くなりすぎて、Mophie製品に取り付けられた磁石が携帯電話を所定の位置で上手く支えきれないほどだ。

そして、Juice Packは全てのポイントで分厚すぎる。ヘッドホンの差込口はかなり奥まった所に入り込んでしまうため、私の持っているヘッドホンはどれもケースに同梱されたアダプター無しには装着出来なかった。また、ミュートスイッチも私のずんぐりした小さな指では動かせなかったので、試してみてほしい。最終的にペンを使わないとミュートのON・OFFは切り替えられなかった。これは私たちの望む未来の姿ではないだろう。

私のJuice Packに関する最後の不満は、ケースについているのがマイクロUSBのソケットだということだ。まぁ確かにマイクロUSBケーブルは、Lightningケーブルよりも安いし簡単にみつけられるが、私は既にLightningケーブルを家や車、オフィスの至るところに置いているので不便に感じている。さらに、私は他にもOsciumのオシロスコープのように日常的に使っているアクセサリをいくつか持っているが、いちいちケースから出さないといけないのが不便だ。

オフィスや移動中でもワイヤレス充電

Wireless life is pretty sweet.

ワイヤレスライフは結構いい感じだ。全部自分が思った通りだと良かったんだが。

不満は置いておいて、ワイヤレスなライフスタイルにはすぐに慣れることができた。充電ベースは、Juice Packを充電し始める前にちゃんと携帯電話自体を充電するので、携帯電話を充電ベースに載せるのを習慣づけておけば、常にフル充電された状態で外出することができる。

デスクマウントも良い感じで、電話がかかってくればすぐにとることができるし、携帯電話を2つ目のスクリーンとして使うこともできるので、例えばTwitterの確認などに便利だ。さらにデスクマウントは、携帯電話上でビデオを見たいときなどのため、横向きに回転できるようになっているのが素晴らしい。残念ながらデスクマウントは、重い携帯電話とケースを所定の位置に支えられる程しっかりしていないため、スクリーンが自分の顔へ向いた状態にセットしようとしても下を向いてしまっていた。

いずれにしろ、私は普段車の中で磁石式のマウントを使うため、ベントマウントに一番期待していた。Bluetoothを使って携帯電話を車に接続すれば、即座に携帯電話をマウント上に置いて充電し、そのままにしておけるので最高だ。特に、短距離を色んな場所に止まりながら運転することが多い人にはおすすめ。

しかし、残念ながらベントマウントの磁石も携帯電話とかさばったJuice Packの重さに耐え切れるほど吸着力が強くなかった。いつものように携帯電話を横向きにして使おうとしたが、道路のちょっとしたデコボコの上を通ると、携帯電話が動いてしまうこともあり(さらに携帯電話がマウントから落ちてしまうこともあった)使いものにならなかった上、これでは安全上も問題があると言える。予め言っておくと、問題の一部は13年選手でサスペンションが固くなってしまった私の車にもあると思うが、それでもこれまでつかっていたベントマウントでは同じような問題はなかったので、Juice Packの重さが原因だと感じてしまう。

携帯電話を縦向きにすれば、ベントマウントは問題なく機能するが、いつ携帯電話が落ちてしまうか心配で結局ベントマウントを使うのをやめてしまった。安全第一といったところだ。

The charging pad and battery case kit will set you back $129.95 together.

ワイヤレス充電ベースとバッテリーケースのセットは129.95ドルと購入を思いとどまらせてしまう程の価格。

ワイヤレスは最高だけど…

Charge Forceシリーズのレビュー結果を総合的に見て分かったのは、私がワイヤレス充電のアイディアを本当に気に入っているということだ。ただ、私はMophieがワイヤレス充電機能と磁石式のマウント部だけを備えた、バッテリーが内蔵されていないケースを販売することを祈っている。というのも、私が経験した問題のほとんどがそれで解決する気がしているからだ。

究極的には、それぞれの携帯電話の使い方次第で、Charge Forceシリーズの価値も変わってくる。

それでも価格については物申さなければいけない。Juice Pakcと充電ベース、デスクマウントとベントマウントのフルセットを買おうとすると、購入をためらってしまうほど高くなるし、私にはその価値があるようには感じられない。私は完全なガジェット狂でありワイヤレス充電が大好きだが、そうでなければ同じ価格で何本ものLightningケーブルともっと容量のあるモバイルバッテリーを買うことができる。

思いがけない出来事に我慢できるのであれば、Mophieのワイヤレス充電システムは素晴らしいオプションだと言える。しかし、私はそれほど多くの人がこれだけの金額を払って、時々携帯電話をケーブルに繋がなければいけないという、比較的小さな問題を解決しようとするとは思えない。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。