Motorola、Android WearのMoto 360スマートウォッチをビデオで紹介―丸型、高級感、つけ心地がカギ

MotorolaはさきほどAndroid Wear OSを利用した最初のスマートウォッチのひとつ、Moto 360 をチーフデザイナーのJim Wicksが自ら詳しく紹介するライブHangoutセッションを公開した。

ここではまず製品開発のコンセプトから順次具体的な内容が説明されている。ただしMotorolaはハードウェアのスペックについてはほとんど明らかにしなかった。しかしWicksがカメラの前で動作するところを見せたので(*)、Moto360はすでに単なるコンセプト・モデルではないことがわかった。こういうものを好む消費者の購買欲をそそるのに成功したに違いない。

丸型

WicksはMoto 360が丸型であることを強く訴えた。私のいい加減な勘定によると「丸い」という言葉を1000回は繰り返したと思う。 スマートウォッチという新規なツールにこれまで見慣れた時計の外観を与えることで一般ユーザーの心理的障壁を取り除こうとしたのがWicksたちが丸型を採用した理由のようだ。Wicksは「人々は時計といえば丸い形を思い浮かべる。人類が時計を発明して以来、時計はずっと丸かった」と語った。

またWicksは「われわれは一般消費者のためにテクノロジーを役立てるのであり、その逆ではない。新しいテクノロジーを採用するために消費者に心構えを変えさせるようなことはしたくない」’と付け加えた。

ライバルのメーカーの大部分はスマートウォッチの機能を最大限に生かすためのデザインを考えているが、Motorolaは逆に消費者の心理的抵抗を最小限にする方向でデザインしているようだ。これはひとつの見識だろう。時計としての見慣れた形を採用することはメインストリームの消費者にスマートウォッチを普及させるために有効な方向だと思う。

材質とつけ心地

同様の見地から、開発チームは材質と仕上げの高級感とつけ心地にこだわった。その結果がステンレスのボディーと本革のバンドになったのだという。バンドは付け替えが可能だという。また女性など手首の細いユーザーのためのバンドも将来用意されるかもしれないと述べた。Wicksは「購入後ユーザーが自分で交換もできるようにする」と述べたが、市販の腕時計バンドが使えるかどうかは明言しなかった。Pebble Steelと同様、特殊な形状のコネクターを用いた専用のバンドしか使えないことになる可能性もある。

またMoto 360がデザイン上もっとも重視したのがつけ心地だ。丸型を採用した理由の一つでもあるという。Wicksによると「同面積の場合、角型の方が角が手首に当ってつけ心地が悪い」のだそうだ。また丸型デザインは自然に画面の中心に注意を集めるので、一瞥して情報を受取やすいという。また左右どちらの手首にはめてもよいように画面を回転させる機能もついている。

スペック、接続性、発売時期

ハードのスペックについてはWicksは新しい情報をほとんど明かさなかった。ただしハングアウト視聴者の質問に答える中で、ある程度の防水性が与えられること、またこれに関連してボディーは一体型であり外部接続ポートは存在しないと述べた。すると充電の方法が問題になるわけだが、この点についてWicksは「Motorola独自の方法を採用する」と述べるにとどまった。誘導電流を利用する方式か、あるいは機械式腕時計のような自動巻き機構を採用するのかもしれない。

バッテリー駆動時間についてもWicksは具体的な数字は明かさず、「われわれはMotoACTV以降エネルギー管理については豊富な経験を積んできた」と述べた。

またMoto 360にはカメラが装備されないことも確認された。単独であれもこれもと機能を満載する方向ではなく、あくまでスマートフォンと連動してユーザーの置かれたコンテキストに応じて適切な情報をタイミングよく提供することに特化したデバイスとしてデザインされているのだという。

価格は不明だが、この夏まずアメリカで発売された後、国際展開される予定であることは確認された。Moto 360のスマートフォンとの接続性に関してはMotorolaのすべてのAndroid携帯に加えて、Android4.3以降を搭載するあらゆるスマートフォンと接続可能であるという。

〔*日本版 ビデオの9:48あたりでWicksがMoto 360の画面を指でスワイプしてみせている。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+