MOVIDA JAPANがデモデイを開催して13社が登壇‒‒個人的にはEigooo!に期待

MOVIDA JAPANは6月3日、同社のシードアクセラレーションプログラムの成果を発表する「MOVIDA JAPAN DemoDay 5th」を開催した。今回登壇したスタートアップは13社。まずは登壇したスタートアップとそのサービス概要を紹介していく。

Eigooo「Eigooo!

チャットを利用した英語学習サービス。2月にiOSアプリをリリースしている。講師とテキストメッセージで英会話をすることができる。分からない単語はアプリ内の辞書機能を使って検索しつつメッセージを刷ることが可能。サービスは基本無料で利用できるが、月額4000円のプランに加入すれば、時間帯やメッセージ数の制限がなくなる。

現在のCVR(コンバージョンレート)は1.85%。3月〜4月の1カ月で42%増加しているという。粗利率は70%と高い。これはテキストチャットのため、講師1人が生徒10人程度を担当できるためだという。

トランスリミット「BrainWars

対戦型の脳トレアプリケーション。ソーシャルメディア上のフレンドと同期してのリアルタイム対戦や、時間差があっても非同期で対戦ができる。

ゲームは13種類。言語に依存しないサービスを目指しており、現在15カ国で利用されている。1日1000ダウンロードを実現しており、まもなく2万ダウンロード突破見込み。これまで累計20万バトルが繰り広げられており、ヘビーユーザーは1日100対戦をしているという。課金は体力回復(ゲームプレイ回数)での課金。年内500ダウンロードを目指す。

Ikkyo Trchnology「Categorific

コンピュータービジョン技術をクラウド上で提供することで、類似した画像を抽出してくれるビジネス向けサービス。これまで半年間事業を展開し、6社1000万枚の画像データの処理をしている。

このサービスを利用すると、例えば写真加工アプリで赤ちゃんの写真を撮影した際、写真の内容を「赤ちゃん」だと自動的に認識。これまでに赤ちゃんと認識された写真で多用されているスタンプをレコメンデーションして表示するといったことができるようになる。サービスは成果報酬で、レコメンドされた内容がクリックされることで課金される仕組み。

coco「Graph

世の中にある統計情報を検索し、利用できるサービス。統計情報の検索は難しく、それを整理して、図にして貼り付けるという手間に消費される時間は少なくない。それを容易にするのがこのサービス。

統計データを検索し、グラフを生成できる。そのグラフはタグを使ってサイトに貼り付けることができる。現在260万ページ分のグラフが生成されている。まずはウェブメディアやブロガーをターゲットにしてサービスを拡大。年間10万ページビューを目指す

サウンド・フォージ「Pedal Forge

通常ネットでは音の確認ができないギターのエフェクター(音色を変化させる機器)をネット上で聴き比べることができるサービス。

エフェクターのパラメーターもサイト上で調整して比較できる。ベータ版は6月公開、英語、フランス語、日本語で提供。現在国内大手楽器メーカーが無償で機材提供しているという。

Sttir「Sttir(ステア)」

リミックスのための素材となるオープンソース音源を共有、コラボレーションできるサービス。

ストレージの利用でマネタイズを検討する。利用シーンとして想定するのは音楽スクールやプロミュージシャンのリミックスなど。今後は作曲ソフトとの事業提携やリミックスコンテストなども検討する。6月末にクローズドベータ版を提供する予定。

3.0「LIVE3

「今夜何するか」を解決するモバイル向けのサービス。キュレーションメディアで1日10件程度の厳選されたイベントを紹介する。また、売れ残っている当日のチケットなどをディスカウント販売していく予定だ。またモバイルでサービスを提供する。

決済手数料は10%(現在は無料)。音楽イベントは年率10%で成長している市場だが、実は98%のチケットが売れ残っているそうだ。同社ではその領域でのビジネスチャンスを狙う。現在外国人ユーザーが全体の3分の1を占めているという。7月にはアプリをリリースしており、2014年内50万人、DAU10%を目指す。動画インタビューはこちら

Oden「ムビロビ」

同じ映画を見に行きたい人同士でイベントを立ち上げて、みんなで映画の情報を共有したり、実際に映画を見に行ったりするサービス。一般ユーザーのほか、ディストリビューター(映画館や興行主)もイベントを立てて、ユーザーを集めることができる。5月下旬からクローズドテストを開始しており、7月にも正式公開を予定している。

Combinator「Combinator

プロジェクト単位でスタートアップの仲間集めを実現するサービス。登録するユーザーは、自分のプロジェクトや興味分野、スキルをタグで登録可能。気になったプロジェクトはお気に入り登録が可能で、お気に入りにすると、逐次プロジェクトの情報が送られてくる。

すでにプロジェクト単位での仲間集めが実現しており、Wizpra、cocoなど2カ月で11件のスタートアップやプロジェクトで人材採用に繋がったそうだ。現在登録されているのは72プロジェクト、2000ユーザー。今後の戦略は3つ。オウンドメディア(現在10万PV)運営、インフルエンサーによるユーザー拡大、THE BRIDGEなどとのイベント開催などでユーザー拡大を目指す。

Rising Asia「たびのたつじん」

海外旅行に行く日本人と、その渡航先の海外在住日本人をマッチングするCtoCのプラットフォーム。海外在住日本人を「たつじん」として登録し、そのたつじんがアクティビティを登録できる。代理店を介さないため、通常より30〜40%安価にアクティビティなどを提供できるという。一方でたつじんへの登録にはID認証を必須とし、Skype面接を実施することで安全性を担保した。すでにフィリピンやタイをはじめとして、東南アジアで複数件のツアーを開催している。

現在12都市150人のたつじんが登録するが、1年後には180都市1500人の登録を目指す。

ロケットベンチャー「4meee!

10代から20代の女性をターゲットにしたまとめサイト。4コマ(4つの写真と4つのテキスト)で情報を投稿できるため、投稿、閲覧ともに容易なコンテンツが生成できるとしている。複数人のモデルとも協力関係にあるとのことで、これまで1000記事が投稿され、100万PVを達成。リピート率は40%以上で、平均閲覧数は1人6ビュー程度だという。

ファッションアイテムのアフィリエイトや、おすすめ記事でタイアップ広告などでマネタイズを図る。

マスカチ「aorb
写真を使って、不特定多数のユーザーに対して2択のアンケートを実施できるサービス。1枚の写真に対する「いい」「悪い」、もしくは2枚の写真を投稿してどちらがいいかを選択するような質問を投稿したり、またほかのユーザーの投稿への回答をしたりできる。回答は100 %、平均回答数は70件となっている。登録翌日の継続率は60%。ユーザーの版数が女性で、高校生も多い。現在世界20カ国で利用されているそうだ。

今後は年内100万ユーザー達成に向け、テレビ局とのコラボレーションやプライベートモードの提供、英語版の提供(6月末)などを予定する。

ALTR THINK「暇スイッチ

暇になった際にアプリ上のスイッチをオンにするだけで、同じくスイッチをオンにしているほかのユーザーと匿名で交流できるサービス。

最大10文字というとても短い文字数のチャットでリアルタイムにやりとりできるほか、今週末にも新機能として対戦型のミニゲームを提供する予定だという。現在6万ダウンロードで、やりとりされたメッセージ数は300万通。アクティブユーザーの半数が1日10回以上アプリを起動しており、10文字とは言え1日100通のメッセージを送信しているという。今後はゲーミフィケーション要素の導入や、会話のフックとなるコンテンツを逐次提供していく。

個人的には「Eigooo!」に期待

実は今回、僕はほとんどのサービスを事前に取材したり、ショートプレゼンを見たりする機会があった。例えばトランスリミットなどはサービス公開前から期待していたし、LIVE3は動画コンテンツにも登場頂いている。

それぞれ方向性は違うが、正直甲乙つけがたいサービスも多いのでそこには触れないが、初見だったEigooo!が非常によくできていると思った。

確かにSkype英会話では1対1でのレッスンとなるため、講師側のコストを削減するには限界がある。これをテキストにすることで、講師の時間や場所を問わない(時には非同期の)講義を実現できるわけだ。受講する側にとっても、発声を伴わずにレッスンできるため、公共交通での移動中といった短時間でも学習が可能だ。何より講師と顔を合わさなくていいのはシャイな日本人にはもってこいだろう。どういった形でカリキュラムを提供しているかといった話は聞けなかったが、もう少し詳しくサービスを知りたいと思った。

あと、僕が暇な時間を持て余す学生だったのであれば、暇スイッチは是非とも使ってみたいところだ。しかしながらこの記事を書きながらも次の予定が待ち構えている状態。しばらくボタンを押すことはできなさそうだ。


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。