NASAの月着陸船「スヌーピー」が宇宙に捨てられた50年後に発見か

NASAが1969年に月面着陸に成功する前には、数多くの調査ミッションが行われた。アポロ10号もその1つであり、実際の着陸を除くあらゆる模擬ミッションが実施された。宇宙飛行士のトーマス・スタッフォード氏とユージン・サーナン氏はアポロ10号ミッションで、NASAが「スヌーピー」というニックネームを付けた月着陸船で月面直前まで接近し、任務完了後に着陸船を宇宙に放った。

スヌーピーを地球に戻す意図はなかった。飛行士たちが作業を終えて宇宙船の司令室に戻ったあと、月着陸船は太陽を回る月よりも遠い軌道に送り出され、NASAがその軌跡を追うことはなかった。スヌーピーを発見するプロジェクトは、Nick Howes氏率いる英国のアマチュアたちのグループによって2011年に始められた。現在同グループは「98%の確度で」位置を確認したと主張しているとSky Newsが伝えている。さらにHowes氏は、もし位置が特定できればElon Musk氏のような人物が回収して重要文化遺産とし保存できるかもしれないと思いを巡らしている。

アポロ10号はNASAのアポロ計画で4番目の有人ミッションで、月着陸船を月面から8.5マイル(13.7km)以内まで飛ばす計画があった。テストは着陸船が最終着陸シークエンスでパワードディセント(ロケット推進力を利用した下降)を実行する直前まで行われた。「ピーナッツ」のテーマに合わせて、同ミッションの司令室は「チャーリー・ブラウン」と呼ばれた。

注目すべきは、このミッションに使用された燃料タンクには月面から戻ってくるための燃料が入っていなかったことだ。これは、テスト飛行中の宇宙飛行士が、アポロ11号のニール・アームストロング氏とバズ・オルドリン氏に先んじて、最初に月面を歩いた人類になろうとした場合に備えて課せられた意図的な制約だった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook