Netflixがゲーム分野への拡大を表明、追加料金不要でまずはモバイル向けから

先週、Netflix(ネットフリックス)のゲームに対する野望を示唆する報道があった。同社は2021年第2四半期の業績報告で、いくつかのことを認めた。まず、最初はモバイルに「主に注力」し「Black Mirror Bandersnatch(ブラック・ミラー:バンダースナッチ)」のようなインタラクティブなプロジェクトや「Stranger Things(ストレンジャー・シングス)」のオリジナルゲームのようなコンテンツの拡大を目指すとのこと。今後配信されるタイトルは、定額制サービスの一部として追加料金なしで利用でき、映画やテレビについてもベースを維持していくと、Netflixは明言している。

「オリジナル映画やアニメーション、脚本のないテレビへの進出と同様に、ゲームは当社にとって新たなコンテンツカテゴリーの1つであると考えています」と、同社は株主へ宛てた書簡で述べている。

2020年はNetflixにとって大きな年だった。誰もが家に閉じこもり、映画館も閉鎖されていた中で、このストリーミングサービスは3カ月で1600万人の新規顧客を獲得した。予想どおり、2021年はそのペースが劇的に落ち、新規顧客数においては苦戦が続いている。同社の決算報告によると、第2四半期の加入者数は150万人と、予想指標の100万人を実際には少し上回った。しかし、この数字は、全世界で398万件の新規顧客を獲得した2021年第1四半期から大きく減少している。

Netflixでは、2021年第3四半期の新規加入者数が、前年同期の220万人から350万人に増加すると予想している。もしそうなれば、過去2年間の新規加入者数は合計5400万人になると同社は説明する。成長のペースは落ちいてるものの、Netflixの業績は全体的には順調だ。当四半期の収益は、依然として前年同期を上回り、19%増の73億ドル(約80250億円)となった。

Netflixの発表した数字によると「Shadow and Bone(暗黒と神秘の骨)」は今期の人気シリーズで、1カ月足らずで5500万以上の「メンバー世帯」にストリーミング配信されたという。この数字に基づいて、同番組はすでに第2シーズンの制作が決定している。DCコミック原作のTVドラマ「Sweet Tooth(スイート・トゥース:鹿の角を持つ少年)」は、配信開始から1カ月で6000万世帯にストリーミング配信された。また「Too Hot to Handle(ザ・ジレンマ:もうガマンできない?! )」や「The Circle」などのリアリティ番組シリーズや、犯罪捜査番組「The Sons of Sam」なども人気を博した。映画では、Zac Snyder(ザック・スナイダー)監督の「Army of the Dead(アーミー・オブ・ザ・デッド)」が配信開始から1カ月で7500万世帯の視聴を記録。また「The Mitchells vs. The Machines(ミッチェル家とマシンの反乱)」は5300万世帯にストリーミング配信され、これまでで最大ヒットのアニメーション映画になったと、Netflixは説明している。

Netflixによると、新型コロナウイルスの影響による制作の遅れにより、2021年の前半はコンテンツが「軽め」になったが、年内の残りの期間はペースが上がるとのこと。同社の第3四半期のラインナップには「La Casa de Papel(ペーパー・ハウス)」「Sex Education(セックス・エデュケーション)」「Virgin River(ヴァージンリバー)」「Never Have I Ever(私の”初めて”日記)」などの新シーズンに加え、Jason Momoa(ジェイソン・モモア)主演の「Sweet Girl(スイートガール)」「Kissing Booth 3(キスから始まるものがたり3)」、Mary Elizabeth Winstead(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)主演の「Kate(ケイト)」などの実写映画が含まれている。さらに、Lin-Manuel Miranda(リン=マヌエル・ミランダ)の新曲が収録されるアニメーション映画「Vivo」も配信される予定だ。

編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したBilly Steeleは、Engadgetのシニア・ニュース・エディター。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Netflixゲーム動画配信

画像クレジット:Sam Wasson / Getty Images

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(文:Billy Steele、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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