Netflixがビットコインのボニー&クライド「Bitfinexスキャンダル」を描いた映画制作へ

先にハッキングされて盗まれたとされる36億ドル(約4160億円)相当のBitcoin(ビットコイン)を米司法省が押収したというニュースが流れたとき、我々はいくつかの疑問を抱いた。今回の発表は、政府による暗号資産への介入についてどのような意味を持つのか?このスキャンダルは、長期的に分散型金融の分野に影響を与えるのか?そして最も重要な質問は、いったいどのストリーミングサービスが、ビットコインのボニーとクライドについてのドキュメンタリーを制作するのか?

関連記事:米司法省がハッキングで盗まれた4160億円相当のビットコインを押収、ロンダリングの疑いで技術系スタートアップ関係者夫婦を逮捕

少なくとも、疑問の1つは解決した。米国時間2月11日、Netflix(ネットフリックス)は、「FYRE: The Greatest Party That Never Happened(FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー)」や「Tiger King(タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!)」を手がけたChris Smith(クリス・スミス)監督の協力を得て、同社が「史上最大の金融犯罪事件」と形容するこのストーリーを描くことを発表した。スミス監督は、セラノスの没落を描いたHBOのドキュメンタリー映画「The Inventor: Out for Blood in Silicon Valley」をプロデュースしたNick Bilton(ニック・ビルトン)氏とともに製作総指揮を務める。

関連記事:セラノスの元CEO、11件の詐欺容疑のうち4件で有罪評決

Elizabeth Holmes(エリザベス・ホームズ)やBilly McFarland(ビリー・マクファーランド)のストーリーと同様に、スミス監督とビルトン氏が使えるネタはここでもたくさんある。犯罪者とされているIlya “Dutch” Lichtenstein(イリヤ・”ダッチ”・リヒテンシュタイン)容疑者とHeather Morgan(ヘザー・モーガン)容疑者(彼女は「Razzlekhan」という名前でラッパーとしても活動していた)は、米国時間2月8日に約12万ビットコイン(現在50億ドル、約5770億円相当)の資金洗浄を共謀した容疑で逮捕された。現在、この夫婦デュオは裁判を待っているが、検察官が逃亡の危険性があると判断したため、保釈は認められなかった。Bloombergによると、リヒテンシュタイン容疑者は「ペルソナ」と書かれたフォルダを保管しており、パソコンには偽パスポートへのリンクがある「Passport_ideas」というファイルがあった。さらに検察官は、「バーナー電話」と書かれたビニール袋が2人のベッドの下から見つかったと付け加えている。実話をベースにした映画がハリウッドを動かし続けるのは、こんな話を作ろうと思っても作れないからだ。

画像クレジット:Nuthawut Somsuk / Getty Images

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。