Netflixがポーランド、イタリア、スペインにて会員限定でモバイルゲーム3作品を新たに提供

Netflix(ネットフリックス)は、欧州のいくつかのマーケットで会員だけが利用できるゲーム3作品を投入し、モバイルゲーム促進にさらに注力している。同社は現地時間9月28日、カジュアルゲーム3作品「Shooting Hoops」「Teeter Up」「Card Blast」の提供をスペイン、イタリア、ポーランドで開始した。同社はポーランドでこのほど、初の会員専用モバイルゲームの販促をAndroidアプリ内で始めていた

新しい作品も同じモデルで利用できるようになる。Netflixアプリ内にある新しい「ゲーム」タブから、対象国の会員は居住国のGoogle Play Storeにあるゲームのリストに案内される。そして他のアプリでもそうするように、そこでゲームをダウンロードインストールする。ただ、ログインするとき、プレイを開始するのにNetflixのクレデンシャルが必要だ。

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新しいゲームは無料でプレイでき、広告やアプリ内購入もない。Netflixのゲームタブで利用できるようになった最初の2つの作品は人気シリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」と結びついていたが、今回の新しいゲームは同社の映画や番組とは無関係だ。新しいゲームはシンプルで、さまざなまゲーマーにアピールするカジュアルなゲームだ。こうした動きは、同社が単なるストリーミングコンテンツを超えて、幅広いエンターテインメントの一部にモバイルゲームを含めようと注力している投資の拡大を表している。

ポーランドでは9月28日から、すでに展開されている2つの「ストレンジャー・シングス」作品に新しいゲームが加わる。一方、イタリアとスペインのNetflix会員は新しいゲーム3作品と既存の2作品がプレイできるようになる。

ゲームは正式には太平洋標準時間9月28日午前8時、イタリアとスペインでは同日午後5時から、Netflixのサービスで利用できるようになる。

同社は第2四半期決算会見時にゲーム分野へと事業を拡大する計画について言及した。その際、このモデルをどのようなものにするか試行錯誤している初期段階だと述べた。

「オリジナル映画やアニメーション、脚本のないテレビへの進出と同様に、ゲームは当社にとって新たなコンテンツカテゴリーだととらえています」と株主にあてたレターには書かれ、そしてまずはモバイルデバイス向けの無料ゲームに注力すると付け加えている。「オリジナルのプログラミングに注力して10年近くがすぎ、当社の会員がどのようにゲームを評価しているかを学んでしかるべき時だと考えています」と説明した。

Google PlayにあるTeeter Uのスクリーンショット

Netflixは8月下旬、テキサス州アレン拠点のゲームスタジオBonusXPが制作した2つの「ストレンジャー・シングス」作品をNetflixの独占コンテンツに移したときに、そうした発言を履行した。ただ、これらのゲームは以前Play Storeで利用できたもので、すでにインストールした人は引き続きプレイできる。しかし新しいゲーマーは「Stranger Things:1984」と「Stranger Things 3:The Game」をNetflixのアプリでしか利用できない。

同じモデルが新たにリリースされる作品でもとられる。「Card Blast」は米国拠点のRogue Gamesからライセンス貸与され「Shooting Hoops」と「Teeter Up」はカナダのデベロッパーFrosty Popからのものだ。

これらのデベロッパーの名前はPlay Storeの一覧には表示されず、ゲームそのものはNetflixのGoogle Playアカウントのもとで公開されている。

TechCrunchが偶然新タイトルの1つを見つけてNetflixにコメントを求めたところ、同社は立ち上げ計画を認め、モバイルゲーム拡大についての次のような声明を出した。

「現在進めているゲームの展開の一環として、スペイン、イタリアのNetflix会員は今日からAndroidで5つのモバイルゲームをプレイできます」と同社の広報担当は述べた。「この5つのゲームは『Stranger Things:1984』『Stranger Things 3:The Game』『Card Blast』『Teeter Up』『Shooting Hoops』で、これらはポーランドでも現在利用できます。まだかなり初期段階ですが、広告もアプリ内購入もないNetflix会員制の一環としてこうした当社独占のゲームを導入することに興奮しています」。

この前に同社は、ポーランドはアクティブモバイルゲーミングのオーディエンスを抱え、初期のフィードバックにうってつけであることから、モバイルゲームの初期テストマーケットとして同国を選んだと説明していた

同社は同様の理由で、そして欧州マーケット全体が同社にとって重要なものであることからイタリアとスペインを選んだとしている。

米国を含む他のマーケットでも将来どこかの時点でゲームを導入する計画だとNetflixは話しているが、それがいつになるのか言及はなかった。また、ゆくゆくはiOSでもゲームを展開することを目指している。

一連のゲームはポーランド、イタリア、スペインのNetflixのAndroidアプリにあるゲームタブで米国東部時間9月28日午前8時(太平洋時間午前11時、中央ヨーロッパ時間午後5時)から利用できるようになる。

画像クレジット:Netflix

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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