Netflixが会員向けにモバイルゲームのテストを開始、まずはポーランドで

Netflix(ネットフリックス)は米国時間8月26日、ポーランドの会員向けにAndroid版アプリでモバイルゲームのテストを開始すると発表した。Netflixに定額料金を支払っているメンバーであれば、サービス開始時には「Stranger Things.1984(ストレンジャー・シングス:1984)」と「Stranger Things 3(ストレンジャー・シングス3)」という2つのゲームを、追加料金なしで試すことができる。これらのゲームは、過去にApple(アップル)のApp Store(アップ・ストア)やGoogle Play(グーグル・プレイ)ストア、そして新作はPC家庭用ゲーム機を含むその他のプラットフォームで提供されているタイトルだ。今回の2つのゲームはNetflixモバイルアプリのセンタータブ内で加入者に提供されているが、ユーザーは自分のデバイスにゲームをインストールするために、Google Playストアに誘導されることになる。

ゲームをプレイするには、Netflixの認証情報を確認する必要がある。

その後は、Netflixアプリ内のゲームページで「プレイ」をクリックするか、モバイル機器から直接起動することで、会員はいつでもゲームを楽しむことができる。

Netflixの広報担当者は、今回のサービス開始について「まだ、まったく初期の段階でありますが、今後数カ月の間に、広告なし、アプリ内課金なしで、可能な限り最高の体験をお届けできるよう努力していきます」と述べている。

Netflixとゲームの話をしましょう。

本日より、ポーランドの会員は、AndroidでNetflixのモバイルゲームを試すことができます。「Stranger Things:1984」と「Stranger Things 3」という2つのゲームです。まだごくごく初期の段階であり、これから数カ月の間にやるべきことがたくさんありますが、これはその第一歩です。

Netflixは何年も前からゲームへの投資を拡大しており、同社の最も人気が高い番組と結びついた、より広範なエンターテインメントの世界に可能性を見出している。2019年にはゲーム見本市「E3」で、Netflixは「Roblox(ロブロックス)」や「Fortnite(フォートナイト)」などの人気プラットフォームとのゲーム統合や「Stranger Things」の新しいゲームを市場に投入する計画について詳しく説明していた。

モバイルゲームに関しては、Netflixはテキサス州アレンを拠点とするゲームスタジオのBonusXP(ボーナスXP)と協力している。Netflixとの提携で制作された最初のゲーム「Stranger Things:The Game」は、他のタイトルと区別するため、現在では「Stranger Things:1984」と改名されている。

このゲームは「Stranger Things」のタイムライン上では、シーズン1の後、シーズン2の前が舞台となっているが、続くタイトル「Stranger Things 3」は、Netflixで配信されているシーズン3をプレイできるようになっている(だからネタバレに注意!)。

Netflixは、これらのゲームがアプリストアで公開されている間、ユーザー数やインストール数がどの程度だったかを公表しなかった。

ポーランドで開始されるテストでは、Netflixによれば、これらのゲームは会員専用となっているため、ユーザーがタイトルをダウンロードするには、Netflixの会員になる必要があるという。しかし、過去にGoogle Playストアからゲームをダウンロードしたことがある既存のユーザーには影響がない。これまで通りゲームをプレイすることができるし、ゲームをインストールしていたユーザーであれば、アカウントのライブラリから再ダウンロードすることもできる。しかし今後は、新規ユーザーはNetflixのアプリからのみ、ゲームを入手することができるようになる。

同社によれば、今回のテストは、Netflix会員がモバイルゲームにどのような反応を示すかを理解し、Netflixが全体的な機能をどのように改善する必要があるかを判断することが目的だという。最初のテスト市場としてポーランドが選ばれた理由は、同国には活発なモバイルゲームの利用者がいるため、初期フィードバックを得るのに適していると考えられたからだ。

Netflixは、このテストを他の国に拡大する時期については「数カ月後」という以上のことは言えないとしている。

Netflixは2021年の第2四半期の決算発表時に、モバイルゲームの提供を開始することを明らかにした。同社はその発表の中で、ゲームはオリジナル映画、アニメーション、リアリティ番組への進出と同じく、Netflixのビジネスにとって「新たなコンテンツカテゴリー」だと考えていると強調していた。

今回のニュースの背景には、新型コロナウイルスの影響でストリーミング配信が活発化した後、Netflixの新規顧客数が急激に減少しているということがある。北米におけるNetflixの第2四半期の加入者数は43万人と、過去10年間で3番目に少なかった。同社では、次の四半期に向けたガイダンスでも弱気な数字を掲げており、アナリストが予想する590万人という加入者数に対し、同社では350万人と予測している。だが、Netflixでは、成長の鈍化の原因として、競合他社の脅威を軽視しており、それよりも新型コロナウイルスの影響などによる制作遅延から、コンテンツが不足したせいであるとしていた。

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画像クレジット:Netflix

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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