NetflixがiPhoneとiPadで空間オーディオ導入へ、同業他社に対抗

もしあなたがAirPods ProあるいはAirPods Maxを使っているのなら、モバイル端末でのNetflix視聴がこれまでよりもう少し投入感ある体験になる。Redditユーザーによる発見を受け、Netflix(ネットフリックス)は米国8月18日、iOS 14で動くiPhoneとiPadで空間オーディオのサポートを開始したと認めた。

Netflixはこの機能の導入でHBO Max、Disney+、Peacockのようなストリーミング競合他社の仲間入りを果たす。その一方で、Amazon Prime VideoやYouTubeといった人気のアプリはまだこの機能を取り入れていない。ただし、同機能はすぐには導入されない、とNetflixは述べた。アップデートのお知らせがきたユーザーはコントロールセンターで同機能のオン・オフができるようになる。

直近では、Appleが空間オーディオを売り込んでいる。同社は2020年に開かれたWWDC会議でAirPods Proで空間オーディオを利用できるようにすると発表した。そして2021年のWWDC会議では、追加料金なしでApple Music購読者に空間オーディオとロスレスオーディオでストリーミングを提供すると明らかにした。この機能の追加ではダイナミックヘッドトラッキングもサポートしており、頭の動きに応じてサウンドを調整する。Apple MusicアプリのAndroid版も空間オーディオとロスレスオーディオをサポートしている。2021年2月にSpotifyはハイエンドなサブスクSpotify HiFiを展開すると発表した。このサービスはロスレスオーディオが利用できるものだが、発表以来新たな動きはない。

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Netflixは7月、オリジナルの映画やテレビシーリーズに加えて、モバイルゲーミングにも取り組み始めたことを明らかにした。すでに「Black Mirror:Bandersnatch」や「Stranger Things」ゲームのようなプロジェクトでインタラクティブエンターテインメントを実験している。

「当社は、オリジナルの映画やアニメ、台本なしテレビなどへの拡大と同じく、ゲーミングを新たなコンテンツ部門ととらえています」と同社は四半期決算発表で述べた。

空間オーディオはビデオゲームプレイヤーの間で人気だ。なので、今回のアップデートでiPhoneとiPadでのビデオストリーミング体験が向上する一方で、おそらくゆくゆくは同様の機能が今後展開される同社のモバイルゲームでも利用できるようになる。

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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