Netflixで配信中のチェス・ドラマの大傑作「クイーンズ・ギャンビット」

「The Queen’s Gambit(クイーンズ・ギャンビット)」は、紹介文を読んだだけではさほど魅力的に思えないかもしれない。Walter Tevis(ウォルター・テビス)の小説を原作としたミニシリーズで、Netflixで現在配信中だ。主人公Beth Harmon(ベス・ハーモン)はチェスの天才で、波乱の多い人生を生き抜いてチェスの世界チャンピオンとなるまでを描いている。

競技系ドラマの定石ともいえるストーリーだが、TechCrunchのOriginal Contentポッドキャストの同僚は口をそろえて絶賛した。もちろん多少の欠点はある。第1話は状況説明に少し力を入れすぎている。主人公の友人であるJolene(ジョリーン)の扱いにもやや不満が残る。しかし全体としてこのシリーズを見て損はないという結論になった。

好感を抱いた理由の1つは時代設定にもある。このミニシリーズで描かれるのは1950年代から60年代で、コスチュームやセットも好ましいレトロ感に溢れている。一方、主人公のベスが当時の男性優位社会からの見下された視線と戦わねばならなかったこともはっきり描かれている。

8本のエピソードを通じて孤児だったAnya Taylor-Joy(アニャ・ティラー=ジョイ)演じるベスの養親との複雑な関係、薬物依存、他のチェスプレイヤーとの友情が描かれる。ベスにはこれまでドラマで描かれてきた多数の悩める天才たちと共通するものがあるが、奥行きをもって描かれれているため1つのタグで簡単に要約できそうにない。

「クイーンズ・ギャンビット」は主人公の生き方や性格に焦点を当てたドラマなのでチェスについての深い知識はもちろん必要としない。しかしチェスという競技が極めて激しくスリリングな戦いであることが巧みに描写されている。

さらに興味があれば下にエンベッドしたポッドキャストを聞いて欲しい。感想や意見があればAppleのポッドキャストサービスに直接コメントするか、Twitterのアカウントに投稿していただきたい。

なお「クイーンズ・ギャンビット」関係の部分は以下の通りだ。

4:28 全体紹介
34:11 ネタバレありの討論

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Netflix

画像クレジット:Phil Bray / Netflix

画像:Phil Bray / Netflix

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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TechCrunch Japan

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