Neverfrostのフロントガラス用ナノ素材皮膜は飛び石の衝撃をやわらげ着霜を防ぐ

frost

ぼくは、ロックなら何でも好きだ。ロックミュージックも、ロックガーデンも、Dwayne “The Rock” Johnsonも。

でも、一つだけ大嫌いなロックがある。ドライバーなら誰もが嫌いだろう。時速70マイルで走ってるときに車のフロントガラスにぶち当たるロックだ。

ほかに、こんなに小さいくせに人の一日を台無しにできる物が、あるだろうか? ない。すべてがうまくいってる。お天気も良い。ちょっと、コーヒーでも飲んでから行こうか。ガツン! 完全に無傷だったガラスに、2インチのひびが入っている。

今Y Combinatorが面倒見ているカナダのウォータールー出身のNeverfrostは、フロントガラスを強化して飛び石にやられないようにする。それと同時に、フロントガラスに霜が着かない(着霜しない)ようにもする。また、車内のエアコンの電力消費量を節約する。

Neverfrostが生まれたのは、ウォータールー大学工学部のナノテクノロジー研究事業からだ。そこで同社のファウンダKhanjan DesaiとChong Shenが、4学年の設計プロジェクトとしてこれをやっていた。

Neverfrostの特殊皮膜は次のことができる:

  • フロントガラスの着霜を95%防ぐ。ひどく寒い夜には着霜するが、その霜はふつうよりも薄い。また雪が付着しないので、払い落としやすい。
  • フロントガラスの対衝撃強度が6倍になる。日よけ皮膜などと違って、皮膜が外側にあり、材質がガラスよりもやや柔らかい。石が当たったとき、衝撃が広い面に拡散する。
  • 太陽の赤外線の熱を90%透過しない。これにより太陽の総エネルギーの40%しか車内に入らない。エアコンの節約運転ができ、そのぶん車の燃料も節約する。
  • 可視光線の88%を通す。これは通常のフロントガラスの透過量より約2%少ないだけなので、合衆国とカナダでは合法である。

(以上の数値はすべて、同社発表による。実際に発売されたら、石をぶつけてテストしてみたい。)

同社は具体的な原料を明かさないが、説明によるとそれは、“ナノサイズの複合物質をサンドイッチして厚さ100マイクロメートルのフィルムにしたもの”、だそうだ。

ではどうやって、Neverfrostを自分の車のフロントガラスにできるのか?

今のところ、それはできない。フロントガラスの交換等は公認の自動車整備士にしかできない。また当製品の主なディーラーはカリフォルニアとオンタリオのトラック専門の整備店で、なぜかというと、毎日長時間、生活のためにトラックを運転している人たちがいちばん、フロントガラスのひび割れや霜に悩まされているからだ。

ただし、秋ごろには消費者向け製品も出したい、と彼らは言っている。詳しいことは、ここを読んで

なお、YC支援の企業としては珍しく、Neverfrostは当面、シリコンバレーに拠を構えるつもりはない。シリコンバレーは比較的温暖な土地なので、雪や霜のテストがやりにくいのだ。

nf

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。