Nomadicが小売店用のモジュール的位置対応VRシステムで$6Mのシード資金を獲得、今後は一般の娯楽施設にも

仮想現実(virtual reality, VR)は家庭用にはまだ高価すぎるかもしれないが、しかし専門店の集客手段としては、検討の価値があるだろう。

ユーザーが体感できる位置対応の小売体験を追究してきたNomadicが、新たな資金を手にした。同社は今日(米国時間6/12)、Horizons Ventures率いるラウンドにより600万ドルの資金を調達したことを発表した。Presence Capital, Maveron, Vulcan Capital, そしてVerus Internationalがこのラウンドに参加した。

ユーザーは、VRヘッドセットとバックパックに収めたPCを装着し(上図)、店内を歩きまわって、各位置に仕組まれたゲームを体験する。そのVRの中に椅子が見えたら、ユーザーは実際にその椅子に座れる。またゲーム中のさまざまなオブジェクトも、赤外線マーカーとカメラのおかげで、そこに実在する物を手に取ることができる。その体験は全体として、90年代のキッチュな4D映画の意図的な焼き直しみたいだが、体感と物理的なスペースや物を利用しているから、より没入的(イマーシブ, immersive)なVRになっている。

ぼくもそれを実際に体験したことがあるけど、そのときの一部始終はこの記事に書いた。

位置対応のVR体験は、The Voidなどの競合企業が、たとえばニューヨークのGhostbusters体験館のような、専用の倉庫みたいな施設で提供しているが、Nomadicの場合はインストールの容易なモジュール方式で、既存の小売店が導入できるようにしている。

Nomadicが専門店の客寄せ以外に狙っているのは、映画館、ショッピングモール、リゾート、空港、カジノ、テーマパークなどにおける、没入的なエンターテイメントの提供だ。まだ具体的なパートナーシップは発表されていないが、日程だけはなぜか具体的で、同社の位置対応VRによるエンターテイメントの‘初封切り’は2018年の第一四半期だそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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