Operaが暗号資産ウォレットやdAppsサポートを搭載したWeb3「クリプトブラウザ」ベータ版で提供開始

Opera(オペラ)は、ビルトイン暗号資産ウォレット、暗号資産 / NFT取引所への容易なアクセス、分散型アプリ(dApps)サポートなどの機能を搭載したWeb3「Crypto Browser」ベータ版の提供を開始した。OperaのEVPであるJorgen Arnensen(ヨルゲン・アーネンセン)氏は「メインストリームユーザーが戸惑うことの多いWeb3のユーザー体験をシンプルにする」ことを目指していると声明で述べている。

主な特徴は、イーサリアム、ビットコイン、セロ、ネルボスなどのブロックチェーンに対応するノンカストディアル(自己管理型)ウォレットを最初から内蔵していることだ。また同社は、Polygon(ポリゴン)などとのパートナーシップも発表した。これは、拡張機能を必要とせずにユーザーが自分の暗号資産にアクセスできるようにするという考えによるもので、サードパーティのウォレットも使用できるようになっている。フィアットからクリプトへの交換により暗号資産を購入したり、直接ウォレット内で暗号資産を交換したり、それらを送受信したり、ウォレットの残高を確認したりすることが可能だ。また、コピー / ペーストの際に他のアプリがデータを取得できないようにするセキュアクリップボードも搭載している。

もう1つの主な機能はWeb3、つまりブロックチェーンベースの分散型インターネットへの対応だ。これは、暗号愛好家(および懐疑派)の間でバズワードとなっている。ブロックチェーン暗号化によるセキュリティ強化に加え、ユーザーはGameFiなどにアクセスすることで「あらゆる種類のメタバースをプレイして収入を得られる」とOperaは述べている。また、最新のブロックチェーンニュースを掲載した「Crypto Corner」も用意されており「Web3のスキルを向上させることができる」としている。

OperaのライバルであるMozilla(モジラ)は最近、暗号資産による寄付を受け付けることを発表したが、ブロックチェーンの環境への影響をめぐり、共同創業者のJamie Zawinski(ジェイミー・ザウィンスキー)氏を含むユーザーから強い反発を受けた。同様の反応を予想してか、Operaは、よりエネルギー効率の高いEthereumレイヤー2規格を「可能な限り早く」実装することを目指していると述べている。

Ubisoft(ユービーアイソフト)のようにNFTなどでブロックチェーンの時流に飛び乗った企業も、同様の批判にさらされている。しかし、Operaは少なくとも、通常のOperaブラウザゲーマー専用のブラウザも提供しており、複数のブラウザオプションでユーザーに選択肢を与えている。Crypto Browserは現在、AndroidWindowsMacに対応しており、iOS版も近日中にリリースされる予定だ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Opera

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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