Osmoが手で触れることのできるハイテク玩具を生み出している方法

今日の膨大な数の玩具は、子供たちを画面の前に引きつけるハイテクと対話的要素を含んでいる。しかし健康と教育の観点から見た場合、子供たちにとっては、ブロックを使って組み立てたり両手を使って遊んだり、20分に1度は少なくとも20秒間画面から目を離すことが大切だということが、複数の研究から明らかにされて来ている。

2013年のTechCrunch Startup BattlefieldでローンチしたOsmoは、デジタルとフィジカルの橋渡しを行う玩具への特化に注力してきた。「子供たちをスマートフォンやタブレットから引き離すことはできません」と言うのはCEO兼共同創業者のPramod Sharmaだ。その代わりに彼の会社は、子供たちが画面の近くに居ながらもフィジカルな環境に関わるようなやり方を提供している。

TechCrunchはOsmoのパロアルト本社を訪問し、Osmoがどのように新しい玩具やゲームを開発しているのかの舞台裏を探った。Osmoのイノベーションエンジンの1つが、同社が半年に1度開催しているDREAMWEEKハッカソンだ。これは社員たちだけに向けた、5日間に渡るプレインストーミングと、デザインならびに開発訓練だ。

ハッカソンでは、日常的には一緒に仕事をしていない社員たちが一緒になって、新しい玩具やゲーム、あるいはOsmoの既存のプロダクトへの拡張を生み出す。

Osmoの人気プロダクトの1つがインタラクティブなタングラムだ。これは子供たちにピースを並べなおして、iPadの画面に表示される動物の形や、その他の画像を作ることを促す。また別の単語ゲームでは、子供たちに山からアルファベットのタイルを取って、画面上に表示される空きを埋めるように、タイルをタブレットやスマートフォンの前に並べることを促す。直接複数のプレイヤーが、それぞれの単語を完成させるべく、競ってアルファベットのタイルを並べる。

Osmoのソフトウェアはそれぞれのプレイヤーの現在の進行状況を見るために、タブレットやスマートフォンのカメラを利用する。例えば、Osmoタングラムアプリはプレイヤーがお題のイメージを完成したことを判定できるし、Osmo単語アプリは単語を完成したプレイヤーをお祝いすることができる。

その内部ハッカソンの終わりには、Osmoは社員たちがお互いの発表を見ることのできる最終デモデイを開催し、どのコンセプトを実際の開発に進めるべきかをグループとして決定する。この決定は、経営幹部やテーマの専門家からの投票ではなく、より民主的に行われる。とはいえ意見が拮抗した場合には、経営幹部が判断を下すことになる。

SharmaはTechCrunchに対して、「内部ハッカソン」などというものは、もっと大きい会社、例えばFacebookやGoogleまたはMicrosoftのやるものだと思われているものの、Osmoは3年前にこれを、会社の成長のために実行することに決めたと語った。これによって社員の間の緊密な関係が保たれ、イノベーションが特別チームではなく、会社に参加する全員からもたらされるものであるという考えを強化できる。

その最新のハッカソンでTechCrunchが目撃したのは、フィジカルなカードトレーディングゲーム、「自分のヒーローを作ろう」アプリ、そして親たちが自分の子供たちと感情的、社会的につながり、理解することを助けるアプリなどのコンセプトだった。なかでも、最近最も素晴らしかったコンセプトは、単語ゲームのようなゲームを遠く離れたグループや友人同士が一緒に遊べるような機能だ。サマーキャンプで親友になった子供たちが、それぞれの街の家に帰った後でも、お互いにマルチプレイヤー単語ゲームで遊べるのだ。

OsmoのユーザーエクスペリエンスデザイナーのDuygu Danielsは(残念ながら彼女のチームのコンセプトは会社の次期プロダクトには選ばれなかったが)以下のように語った。「今日のイベントを通して、沢山のアイデアを手に入れました…これは私たちがアイデアを試しイノベーションの精神に集中して触れる特別な週なのです」。彼女、および他のOsmo社員たちは、内部ハッカソンを常に楽しみにしていると語っていた。

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(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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