PayPal、ノースカロライナ州のLGBT差別法に抗議して400人の雇用計画を中止

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PayPalは、LGBTコミュニティーを強く擁護する立場に立った。数週間前、ノースカロライナ州議会はレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、およびトランスジェンダーの人々の権利保護を妨げる失望させる法案を通過させた。この法律はトランスジェンダーの人々に不適切なトイレの使用を強要し、差別するものでもある。PayPalはこれを容認せず、同社がシャーロット市に新しい事業所を設立する計画を中止すると声明で語った。

シャーロットの新しいグローバル運用センターでは400名が雇用される予定だった。同社はこの法律が有効である限り、その意志を変えるつもりがさそうだ。

「新しい法律は差別を存続させ、PayPalの使命と文化の中核をなす価値と原理に反するものだ」と、PayPalの社長・CEO、Dan Schulmanは書いた。「このためPayPalは、計画していたシャーロットへの事業拡大を中止する」。

同法に抗議しているのはPayPalだけではない。ホワイトハウスは現在これを再調査中であり、連邦裁判所への告訴も進行中だ。他の州政府も、ノースカロライナ州への不必要な公的出張を禁止してこの法に抗議している。

他に100社の企業が同法の撤回を要請しているが、州の雇用増加を中止したPayPalは、最も声高な反対者と思われる。

声明の全文は以下の通り:

2週間前、PayPalは新たにグローバル運用センターをシャーロット市に開設し、400名以上の技術職を雇用する計画を発表した。その後まもなく、ノースカロライナ州はレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、およびトランシジェンダーの人々の保護を無効化する法案を突然成立させ、われわれのコミュニティーのメンバーが法の下で平等な権利を得ることを阻止した。

新しい法律は差別を存続させ、PayPalの使命と文化の中核をなす価値と原理に反するものだ。このためPayPalは、計画していたシャーロットへの事業拡大を中止する。

この決定はPayPalの最も根底にある価値と、誰もが平等に扱われる権利を持つという強い信念を反映し、尊厳と敬意に基づくものだ。こうした公正、多様性の受け入れ、および平等性の原理は、われわれが企業として達成しようとするものすべての中心をなしている。それは差別に反対する行動を起こすことをわれわれに強いるものだ。

われわれの決定は明瞭、明白である。しかし、シャーロットコミュニティーの一員となり地域の優れた人材を同僚にする機会を失うことは大変違憾に思っている。誰もが差別の恐れを抱かずありのままに生きる権利を持つという原則を公約する企業として、チームの仲間が法の下で平等な権利を得られないノースカロライナ州で雇用者になることは、決して受け入れことができない。

われわれは運用センターの代替地を探す傍ら、引き続きノースカロライナのLGBTコミュニティーと協力し、この差別的法律を撤廃するために、平等を公約する他の人々と共に努力を続けることを約束する。

われわれは平等と多様性の受け入れを公約し、人が価値観に基づいて生活、行動することで変化をもたらすことができるという強い信念を持っている。それは、われわれの従業員、顧客、およびコミュニティーにとって正しいことである。

Dan Schulman, President and CEO, PayPal

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook