Pelotonがコネクテッド筋力トレーニングシステム「Peloton Guide」を発表、約5万6000円

ほとんどの企業は、Peloton(ペロトン)のようなユーザーからの支持をのどから手が出るほど欲しがるだろう。Pelotonのサイクリングマシンやトレッドミルは、コネクテッドフィットネスのプラットフォームとして、カルト的な人気を博している。出荷の遅れや2度のリコールなどの問題があったにもかかわらず、パンデミックの間にもその熱狂的なファンは増すばかりだった。

しかし、ジムの崩壊をめぐる数々の主張にもかかわらず、再開されたジムは同社の収益に影響を与え始めている。Pelotonのような企業は、どうすればこのような状況を打開できるのだろうか?迅速かつ簡単な解決策は、ホームフィットネスの他のカテゴリーにも拡大していくことだ。タイミング的には、このPeloton Guide(ペロトン・ガイド)が2020年3月頃に登場していたらベストだったかもしれない。しかしこの新しいハードウェアが、ホームフィットネス分野での同社の地位を維持するために役立つ可能性は十分にある。

最近の噂では、PelotonはHydroのようなブランドと並んで、活況を呈する家庭用ローイングマシン分野に飛び込むと言われており、そのような動きは今でも十分に考えられるが、米国時間11月9日の発表は、TempoやTonalのようなブランドをより強く意識したものだ。そしておそらく最も重要なのは、Pelotonがこれまでで最も安価なハードウェアを発表したということだ。

Peloton Guideの495ドル(約5万5900円)という価格は、同社の最も安い製品であったBikeよりもさらに1000ドル(約11万3000円)安い。その理由の1つには、この製品が最も包括的でないということが少なからず貢献している。この価格で手に入るのは、Guide本体(テレビに接続するカメラシステム)、心拍数バンド、そしてリモコンだ。その他の筋力トレーニングに必要な器具は、ユーザーが用意することになっている。これは同社が資料の中でプラスとして説明していることで「メンバーは自分の器具やウェイト、アクセサリーを使うことができ、筋トレ体験を始めるのにかさばる装置は必要ありません」と記している。つまり、BYOW(Bring Your Own Weight=マイダンベル持参されたし)。

Peloton Guideは、先日発表された競合の「Tempo Move」(395ドル、約4万4600円のミニ冷蔵庫サイズで、独自のウェイトがあらかじめ搭載されている製品)よりも高価だ。しかし、ハードウェア面でのもう1つの大きな違いは、Tempoの製品はユーザーのスマートフォンに依存しているため、潜在的なユーザーは比較的新しいモデルのiPhoneを持っている人に限られてしまう点だ。

画像クレジット:Peloton

その代わりに、Peloton Guideは、同社独自のカメラシステムを中心に構築されている。その機能について、同社は次のように述べている。

Peloton Guideは、定評のあるPelotonのストレングス(筋トレ)クラスの体験を向上させるために、データを使ってパターンを特定し、エンジニアの最小限のインプットで判断するAIの一種である機械学習(ML)を使用することで、初心者から上級者まで、ストレングストレーニングを魅力的でモチベーションを引き出すものにしています。Peloton Guideは、メンバーが自分の動きや進捗状況を把握できるよう、MLを利用しています。

このシステムは、同社の既存のストレングスコースのラインナップと連動しており、同社はそれが「Pelotonにとって最も急速に成長している分野です」とも述べている。Guideの発売はホリデーシーズンには間に合わないが、2022年初頭に米国とカナダで発売される予定で、新年の抱負を立てる頃には間に合うはずだ。英国、オーストラリア、ドイツのユーザーは同年の後半まで待たなければならない。

画像クレジット:Peloton

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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