Pelotonのトレッドミル2種にリコール、初期対応の不備を謝罪

Peloton(ペロトン)は米国時間5月5日、家庭用トレッドミルシステムのトレッドミル2機種であるTread+とTreadを自主回収することに同意し、米国消費者製品安全委員会(CPSC)に協力すると発表した

同システムの製品を購入した人はPelotonに払い戻しを要求できる。同社はまた、米国でのこれらのモデルの販売と納入を停止することにも同意した。同社CEOのJohn Foley(ジョン・フォーリー)氏は2021年4月、CPSCの警告について「不正確でミスリーディング」だとし、警告を公にするというCPSCの決断に同社が「悩まされている」と話していた。5日のニュースでは、フォーリー氏の悔恨の表現がみられた。

「両プロダクトをリコールするという決断はPelotonの会員とその家族にとって正しいものでした。明確にしておきたいのですが、消費者製品安全委員会からのTread+リコール要求に対する初期対応でPelotonは過ちを犯しました。当社は最初からより生産的にCPSCに対応すべきでした。この点について、謝罪します。CPSCと緊密に連携を取ったことで、本日の発表には当社が会員にさらに安全を啓発することができるという認識が反映されています」。

自主回収は、フィットネス機器をめぐり今なおある安全上の懸念への対応だ。CPSCは幼い子どもが死亡したケースを含む計70件以上の事故を指摘した。CPSCによると「トレッドミルの後部下に6才の子どもが引き込まれて死亡した例が最近あった。加えて成人ユーザー、子ども、ペット、その他のものがトレッドミル後部下に引き込まれたという72件の報告がPelotonに寄せられ、そのうち29件が骨折や裂傷など子どもの重大な怪我だった」。

CPSCの会長代理Robert S. Adler(ロバート・S・アドラー)氏は「CPSCとPelotonがPelotonの製品Tread+とTreadからユーザーを守ることで合意に至り、うれしく思います。委員会が5月5月朝に投票で受け入れを決定した合意では、米国ですぐさまTread+とTreadの販売と納入を停止し、トレッドミル返品を望む消費者に購入代金を全額返金することをPelotonに求めています。CPSCとPelotonの合意は数週間にわたる密な話し合いの結果であり、Pelotonと消費者にとって最善の益となると私は確信しています」。

リコールは、米国の12万5000台のTread+(新しい低価格デバイスの登場時に名称が変わった古いシステム)と1050台のTreadモデル、そしてカナダの5400台が対象だ。Tread+リコール発表とともに発出された警告には「成人ユーザー、子ども、ペット、物体がトレッドミル後部下に引き込まれ、怪我したり死亡したりする危険があります」とある。一方、Treadの方には「トレッドミルのタッチスクリーンが分離して落ち、消費者が怪我をする恐れがあります」とある。

消費者は2022年11月6日まで返金を受けられる。それ以降は、Pelotonは額未定の部分払い戻しを行う。

同社が当初CPSCからの警告をはねつけたのは、部分的には家庭フィットネス機器は特に小さな子どもやペットがいる場合において安全上の懸念があることが長い間知られていた、という事実による。5月6日に開かれる決算会見でPelotonのスタンスについてさらに何か聞けそうだ。パンデミックによって2020年は同社にとってすばらしい年だったが、今回のニュースを受け、同社の株価は8%下げた。5月5日にはまた、同社プラットフォームの重大なセキュリティ上の懸念も明らかになった。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Pelotonリコール米国消費者製品安全委員会(CPSC)フィットネス

画像クレジット:Peloton

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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