育児・出産情報のキュレーションとQ&Aを展開する「ママリ」、運営のConnehitoが1.5億円の資金調達

Connehito代表取締役の大湯俊介氏

 

育児や出産関連の情報を提供するキュレーションメディア「ママリ(mamari)」および女性特化型のQ&Aサービス「ママリQ」を展開するConnehitoは3月3日、B Dash Venturesおよびプライマルキャピタルを割当先とした第三者割当増資で総額約1億5000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

ママリは、育児や妊娠、出産といったをはじめとした女性の悩みが解決する情報を提供するキュレーションメディアだ。2014年3月に試験的にサービスを開始。記事は1週間で100本程度作成しているという。同年5月にはQ&AサービスのママリQをスマートフォン向けアプリとしてリリース。ページビューなどは非公開だが、いずれもMAU(月間アクティブユーザー)が約100万人程度だという。特にママリQは急成長しており、直近では投稿数ベースで月次約40%の成長を続けているという。

コンテンツが女性のライフタイムイベントに特化しているということもあって、約20人いるスタッフの8割が女性。20歳から43歳までいる女性スタッフの中には4人の妊婦がいるとのことで、社員の経験に基づいたコンテンツも多いという。ちなみに女性スタッフの退社時間は夕方に設定されているため、取材が終わった午後6時過ぎには代表取締役の大湯俊介氏やエンジニアなど数人しか社内にいない状況だった。

最初のサービス「Creatty」で苦戦

Connehitoの設立は2012年1月。ママリのサービス開始からは1年しか経過していないが、MOVIDA JAPANのインキュベーションプログラムに参加し、2012年から美術作品のポートフォリオを作成し、そのデザインを販売できる「Creatty」というサービスを展開している。僕が大湯氏と出会ったのもそのタイミングだ。

Creattyは現在もサービスを続けているが、2013年末には「熱狂的なファンはついたが絶対的な数が足りなかった。クリティカルマスを超えれなかった」(大湯氏)という状況になっていたそうで、会社をたたむことまで含めて検討していたのだという。だが一念発起して新事業に挑戦することを決意。「もう一度チャレンジしたい、勝負をしたいと素直に思った」(大湯氏)

そこで同社が取り組んだのが健康情報のキュレーションメディア。「CTOとともに起業して、まずやろうとしたのが『デザイン能力のアーカイブ化』。それがCreattyだった。2つめにやりたかったのが『健康や体の悩みの情報のアーカイブ化』。その領域でもう一度勝負することを決めた」(大湯氏)。まだ答えが見えない中、WordPressで作ったサイトにエンジニアも総動員して健康関連の記事を1カ月で400本ほど書きまくったのだそうだ。

その中で唯一大きく反響があったのが、事前に契約しておき、陣痛が始まった時に呼び出せばスムーズに配車、病院まで送ってくれるという「陣痛タクシー」に関する記事だった。大湯氏自身も23歳で結婚し、まもなく妻が妊娠したという経験があったため、同じようなことで困った経験があったのだそうだ。そこから育児や妊娠に関する情報に特化したママリを考えたのだという。「実は育児や妊娠、出産といった情報は、情報提供のリテラシーが高くないため、ネット上に正しい知識を書いていてもインターフェースが微妙で見つけにくい状態。情報提供者とそれを求めるユーザーとの間に断絶があった」(大湯氏)。

さらにユーザーのヒアリングを続けていくと、「育児や妊娠についてどこで質問していいか分からずに大手のコミュニティで質問を投稿すると、必要以上の罵倒をされて泣いてしてしまったという人もいた」ということもあって、メディアと同時にQ&Aの必要性も感じたのだそうだ。その後大湯氏はママリの事業計画をもとにANRIやコーチ・ユナイテッド代表取締役社長の有安伸宏氏から資金を調達。事業を本格化させた。2014年10月にはインキュベイトファンドが手がけるインキュベーションプログラム「Incubate Camp 7th」にも参加。レポートでは「ステルスモードなので非公開」となっていたが、見事プレゼンで1位となったのがこのママリだという。

集客はSEOやASO、将来は送客でマネタイズ

100万MAUを達成したママリはこれまでほぼノンプロモーションでサービスを展開してきた。特にママリQが急成長しているという話だったが、その理由について「SEOでやってきてダウンロードすることが多く、同時にASOが効いてきている。テーマ的にもファッションなど趣味のコンテンツと違って検索意欲が強い」と説明する。

またユーザーから口コミで波及することも多いようで、「キュレーションメディアだからといって『バズっている』というものではないが、フィードバックも含めてユーザーからいい反応をもらっている」(大湯氏)とのこと。

直近はマネタイズよりサービスや人員の拡充に注力するという同社だが、将来的にはママリから各種のコマースに送客することで収益化を図る計画だ。「ママリには、生活に必要な情報が集まっている。中には不妊や家の購入など赤裸々な体験もQ&Aで投稿されている。どこに住んでいてどういう属性で……というデータをためていけば、大きなビジネスができると考えている」(大湯氏)。確かにライフタイムイベントを抑えているサービスだと考えれば、不動産や車、保険など、高額商品への送客にも強いはずだ。

大湯氏はこう続ける。「ママリは多くの投資家に『ニッチすぎる』と言われた。だが今はQ&Aサービスにチャンスがあると思っている。命が生まれるなんていう(利用できるサービスが)絞られるタイミングは人生に一度二度ある程度。そこにいいUXでサービスを提供できるかどうかだ」。さらに中長期の目標について「マシンラーニング、データマイニングの会社を目指す」と説明。将来的には育児や出産以外のライフタイムイベントに関連するサービスも手がけたいとした。

 


投稿者:

TechCrunch Japan

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