Queueing Theoryは、どんなアプリにもMailboxライクな予約システムを提供するサービス(噂を呼ぶためだけでも可)

Googleが、当時新しいメールサービスだったGmailを招待制にして以来、スタートアップのファウンダーたちは自分たちのサービスにも同じ盛り上がりを期待して策を巡らしてきた。しかし、かつてのGmailに少しでも近づくレベルの需要を再現できたのは、最近のiOSアプリ、Mailboxによる「予約システム」が初めてだった。そして今、サンフランシスコ拠点のQueueing Theoryという会社は、Mailboxと同様の予約システムを、どんなスタートアップでも、特にモバイルユーザーをターゲットにするスタートアップが使えるようにするサービスを提供する。

最近Dropboxに買収されたMailboxは、まず専用URLで登録ユーザーを集めることによって、 アプリへの関心を高めた。ユーザーには予約番号を伝えるSMSが送られ、そこには行列内の位置とアプリがApp Storeで公開された時にロックを解除するための暗証コードも書かれていた。

同社は予約システムがサーバー負荷の軽減に役立ったと言っているが、それ以外の副次効果があった。この噂の新アプリに、最先端のアーリーアダプターだけが入れる会員制クラブのような雰囲気をもたらしたのである。今や、新しい「スマート・カレンダー」Tempoをはじめとする他のアプリも類似のしくみを活用している。Tempoのケースでは、事前に「大がかりなメール処理」が必要であるために、専用の予約システムが必要だったと主張している。

しかし、このしかけをメールやカレンダーアプリだけに使わせる手はない。どこのスタートアップのファウンダーも言うように、大量のユーザーが押し寄せればサーバーがパンクしてユーザー体験を損う。

Queing Theoryの狙いはそこにある。このMailboxライクな予約システムは、モバイルアプリ開発者のニーズを想定して設計されている。ウェブインターフェースを備えてはいるが、システムは〈サーバーの能力が一般ユーザーの登録を受け付けられる水準になる前に〉、AppleのApp Storeで(近々はAndroidでも)アプリを公開したいデベロッパーに特化して作られている。

ユーザーは、アプリあるいは提供するメーカーのホームページからユーザー登録できる。メールアドレスを登録したユーザーには行列内に位置が与えられ、SMSで送られてくると共に、後にアプリが公開されたらそこに順番が表示される。

しかしこのシステムがMailboxのやり方と違うのは、新しいApp Storeアプリにユーザー登録する人たちの中でも「特別な」ユーザーだけのためのソーシャルネットワークを作っていることだ。スタートアップは、カスタム版のバッジやステッカーを作ることができて、Queueing Theoryのユーザープロフィールに掲載される。友達がどのアプリに登録しているのかが一目でわかり、そのステッカーをクリックすると自分も同じアプリの行列に並べる。

さらには、行列で前に飛び越すことのできる少額のプレミアム・ステッカーを買うこともできる。列の先頭近くにいるユーザーは「ゴールデン・チケット」ステッカーももらえる。Queueing Theoryシステムでいちばん多くゴールデン・ステッカーを集めたユーザーは、将来「スーパー・キュー」ステッカーを割引価格で買うことができる。

デベロッパーにとってこのシステムは、自社のモバイルアプリに待ち行列を簡単に組み込めるだけでなく、実際には誰もアプリを使う前に噂を起こしてApp Storeの順位を上げることができる(ただしAppleがこれにどう対処するのかは不明)。デベロッパーはオンラインで、登録ユーザーのフィルター、招待リストのカスタマイズ、自社専用「ステッカー・セット」のデザインなども行える。

面白いことに、Queueing Theoryは正式スタート前にメールアドレスを集めるために、自社製の招待システムを使っていない。今はこのLaunchrockのページでひっそりと受け付けている。同社によると自前のシステムはまだ開発中で数週間のうちにLaunchrockからQueueing Theoryのページへ移転するつもりだという。ユーザーはここで登録すれば、近く完成するページにアクセスが可能になり、そこでQueueing Theoryの登録ページが利用可能になったら通知をもらえるリストに載せられる。詳しくはここをクリック

アップデート:これまでに登録してくれた200名近い人たちには感謝しているが、これはエイプリルフールのいたずらだ。どうかあなたのアプリではこれをやらないで欲しい。お願いする。

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(翻訳:Nob Takahashi)