Red Hat Enterprise OpenStack PlatformのアップデートでOpenStackのデプロイを容易にするオペレータインタフェイス(ディレクター)を実装

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Red HatのEnterprise Linux OpenStack Platform 7が今日(米国時間8/5)から一般供用される。これはRed Hat Enterprise Linux ServerとOpenStackの最新リリース“Kilo”を合体したディストリビューションで、さらに、OpenStack Cloudsをインストールし管理するサービスが付随している。

Red Hatによると、このアップデートによりクラウドのオペレータは、OpenStackを使ったクラウドのデプロイと管理が、より容易になる。OpenStackのTripleIOプロジェクトをベースとする新たなOpenStack Platformディレクターによりユーザは、一つのGUI上で日々のオペレーションを管理し、またリソース配置(プロビジョニング)の最適化を図ることができる。このディレクターはさらに、オペレータによるベアメタルサーバのプロビジョンを支援し、ハードウェアリソースの必要に応じてのデプロイとリパーパス(目的変え)を容易にする。

Red HatのIaaS部門を担当しているTim Yeatonによると、こういうディレクターというものを中心に持ってくることになったのも、同社のOpenStackプロダクトがパイロット段階を終えて、最近では企業による正式採用が増えているためだ。パイロットのインフラと違って、本格採用のプロダクション環境では、新たな要求が数多く存在する。そのために、ディレクターと呼ばれる一種のオペレータダッシュボードを提供して、今後のバグフィクスや新しい機能のインストールを容易にする必要がある。これがあることによって、今後のOpenStackのアップデートも、よりシンプルに行えるようになる。

今回のアップデートでもうひとつ新しいのは、Red Hat Enterprise LinuxとIPv6とそのほかのネットワークまわりの強化、およびインクリメンタルバックアップのサポートにより、モニタリングとフェイルオーバーサービスが内蔵され、それによって高可用性のコンピューティングクラスタの作成が可能になったことだ。これらの機能もやはり、従来からエンタプライズユーザの要望が多かったものだ。

Yeatonによると、OpenStackの最近の新しい機能の多くは、OpenStackを初期から採用している通信企業のニーズに触発されたものだ。

彼曰く、“主に通信企業が求めたこれらの機能には、彼らの関心が大きく反映している。しかしそれら通信企業の利害に沿う機能も、その多くはもっと広範囲なエンタプライズによるOpenStackの採用を促進しうるものだ”。彼はその典型的な例として、最近のOpenStackのネットワーキングスタックへの注力と、ネットワーク機能の仮想化(network functions virtualization, NFV)を挙げる。いずれも今では、多くのエンタプライズがOpenStackを採用する重要な動機のひとつになっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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