Rethink Roboticsから新しいロボット訓練プラットフォーム―誰でも簡単にSawyerに新しい仕事を教えられる

2017-02-08-schramberg-sawyer-rethink

職場でロボットは欠かせない戦力だ。しかし非常に簡単な作業以上のことをやらせようとすると、専門家の助けを借りなければならなかった。Rethink Roboticsは自社のSawyerロボットを誰でも簡単に再訓練できるプラットフォーム、Intera 5を発表した。

現在すでに多くのロボットは誰でもある程度の訓練が可能だ。たとえばロボットのアームを握ってやらせたい作業のとおりに動かすなどだ。するとロボットのコントロールソフトウェアがそのとおりにプログラミングされる。しかし多少でも複雑ないし精密な作業のプログラミングは一気に難しくなっていた。

たとえばこういった動作だ。まずロボットが部品をつかむ。定位置にセットする。ここでもし赤いエラーランプが点灯したら部品を定位置から外す。新しい部品を定位置にセットする。不良部品を1.5メートル離れた場所の箱に落とす。処理した部品の製造番号を記録する。さらに、もし部品のストックがなくなったらこれこれの動作、し組み立てコンベアベルトに何も流れてこないときはこれこれの動作をする。

このように何段にわたって複雑に条件分岐する動作を処理できるロボットシステムは少ない。できるとしてもロボティクスに詳しい専門家によるプログラミングが必要になるだろう。たとえば小規模なラインで1台のロボットにプロダクト別に異なる動作をさせたいといった場合があるだろう。しかし訓練の難しさはロボットの有用性に大きな制限を加えていた。

Intera 5はラインの作業員がロボットの動作を簡単に変更し、新しい新しい動作を追加できる。これには特に難しい訓練は必要ない。まして工学の学位などはいらない。

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このプラットフォームでは既存の部品を使って動作をツリー状に構成していけばよい。GUIは鮮やかな色で塗り分けられたシンプルなデザインで非常に分かりやすい。「もし…なら…する」、「スキャンする」、「動かす」、「つかむ」、「置く」、「素早く」、「そっと」などの動作部品が利用できる。ロボット自身にコンピューター・ビジョンが内蔵されているため、ロボットの腕の位置をいちいちミリメートル単位で設定する必要はない。ロボットはデスクトップ・パソコンの画面から同様のUIを利用して直感的にプログラミングできる。

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Intera 5を利用することでロボットに必要に応じてまったく新しい作業をさせたり、ワークフローの変更を即座に反映させ作業の一部を変更するなどが可能になった。これまでオートメーションがあまり進んでいなかったスモールビジネスの現場にもロボットが魅力的なツールとなるはずだ。

既存のSawyerロボットについても近くIntera 5が利用できるようアップデートが行われるという。今後出荷されるロボットにはIntera 5による訓練能力がデフォールトで備わる。

〔日本版〕Rethink RoboticsのSawyerロボットについては住友重機械工業株式会が日本での独占販売契約を締結しているという。SawyerロボットのGE Lightingにおける導入例。Sawyerロボットのディスプレイに大きな目が表示され、ロボットの動作を予告する動きをしているのが興味深い。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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