RNA診断のCofactor GenomicsがY Combinatorに‘入学’、DNAよりも正確でリアルタイムな遺伝子検査を目指す

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このところY Combinatorは、計算生物学や生物情報科学の分野にも手を広げているが、今回はその孵化器の中に、かつてHuman Genome Projectの作業を手がけたこともある人たちによる、RNA試験の実験的開発企業Cofactor Genomicsを迎えた。

DNAと人体を構成する蛋白質との中間に位置するRNAは、DNAよりも正確でリアルタイムな診断を可能にする、と同社は主張する。DNAはあくまでも情報的であり、したがって予測的予報的な存在だ…将来の疾病の可能性は分かるが、今どうなっているかは教えてくれない。

RNAはしかも、食べ物や生活環境などの変化とともに、動的に変化する。

同社のCEO Jarret Glasscockはこう述べる: “RNAの方が、健康のバロメーターとして優れていると思う。動的に変化するから、疾病の早期診断が可能だ。DNAは予報的だが、RNAでは細胞の分子署名が早めに分かる”。

6年前にミズーリ州セントルイスで創業された同社は、すでに大手製薬企業9社と契約している。また国立衛生研究所から、約150万ドルの補助金を得ている。

彼らのRNA診断技術はとくに、癌や心臓疾患、アルツハイマー病などの早期発見を簡単な血液検査だけでできる点で、期待されている。料金などはまだ気の早い話だが、来年には診断サービスを供用開始したい、と考えている。

協同ファウンダのGlasscock、Dave Messina、Jon Armstrongらは、中西部出身の彼らが、今回シリコンバレーとのご縁ができたことによる、新たなビジネス機会に恵まれることを、期待している。

“田舎者とバカにされることはないけど、でもバレーとのコネでイメージがアップすることは確実だね”、とGlasscockは語る。

CofactorはRNAだが、ここ数年シリコンバレーでは、DNA診断企業への投資が一種のブームになっている。たとえばColor Genomicsは、乳がん遺伝子BRCA1とBRCA2を同定し、Counsylは、その人物の子どもに遺伝するかもしれない劣性遺伝子を検査する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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