Rocket Labが宇宙船分離システム開発のPlanetary Systems Corporationを現金と株式で買収

買収戦略が相変わらず止まないRocket Labは、キャッシュと株の両方を投じてPlanetary Systems Corporation(PSC)を手に入れた。

このニュースが発表されたのは同社の2021年第3四半期の決算報告の直前だ。Rocket Labによると、同社は4200万ドル(約47億9000万円)の現金と普通株172万841株を支払ったが、株式は今後の業績により増える可能性がある。

PSCは宇宙船の分離システムを開発しているメリーランド州の企業だ。これまで100ほどのミッションが同社の機械式分離システムと衛星ディスペンサーを使用した。同社の「キャニスター型衛星ディスペンサー」は、宇宙船をロケットから分離し、打ち上げ時にはそれを保護する機構だ。PSCのハードウェアは、SpaceX、United Launch Alliance、かつてのNASA Space Shuttle、米国以外ではArianespace、Japan Aerospace Exploration Agencyといった主要各社の打ち上げ機がこぞって装備している。

この買収は、Rocekt Labの企業ビジョンが単なる打ち上げ屋ではなく、また衛星などをペイロードとして軌道へ運ぶだけでもなく、宇宙船本体を軌道に乗せることも含むフルの宇宙サービス企業であることの表れだ。Rocket Labは声明で、そのハードウェアは同社のSpace Systems事業部全体で使用、それにはPhoton衛星バスや、宇宙船の部位製品も含まれると述べている。

今回の買収は、Rocket Labの過去18カ月で3度目のものとなる。2021年10月、同社はコロラドのAdvanced Solutions, Inc.を買収したが、同社は宇宙船の飛行ソフトウェアを開発している。2020年にはSinclair Interplanetaryを買収、同社は宇宙ハードウェアのメーカーだ。

PSCのトップは現在のCEOであるMike Whalen(マイク・ホレン)氏のままだ。買収の完了は2021年第4四半期を予定している。

画像クレジット:Rocket Lab

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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