Rocket Labのロケット「Neutron」、製造から着陸までを米バージニア州ワロップス島で

Rocket Lab(ロケットラボ)は、同社のロケット製造・発射施設の拡張について最新の状況を発表した。ニュージーランドと米国にある既存の発射場には、引き続き同社の小型ロケット「Electron(エレクトロン)」を配備する。一方、バージニア州では、将来打ち上げる、はるかに大型のロケット「Neutron(ニュートロン)」を格納する新しい施設を建設する予定だ。

Nettronを製造する新しい施設は、NASAのワロップス飛行施設の中にある。施設の28エーカー(約11万3300平方メートル)の敷地には、約25万平方フィート(約2万3000平方メートル)の屋内空間がある。これは大きなスペースだが、当然ロケットも大きい。同社は多数のロケットを製造する予定だ。

ロケットの組み立てだけでなく、それを構成する特殊な炭素複合材もここで製造される。炭素複合材のロールは、いわば「温めたオーブン」から取り出してすぐ、Neutronの周囲23フィート(約7メートル)の胴体を包むことになる。

「ロケット全体をこの施設で製造することを意図しています」とRocket LabのCEOで創業者のPeter Beck(ピーター・ベック)氏は、米国時間2月28日のメディアブリーフィングで述べた。「ステージの直径は非常に大きい。私たちはその意思決定を本当に早く行いました。ワロップスとカリフォルニアの間にある一番大きい橋で直径を測るというようなことはしたくなかったのです」。

ベック氏は、Neutronの仕様が最初に公開された12月に、この大口径の利点を語った。

再利用を前提にゼロから設計されたロケットであるNeutronは、ペイロードを運んだ後にワロップスに戻り、生まれた場所と同じ施設で改修される。打ち上げと軌道上運用センターを含むオールインワンの複合施設は、この地域に何百もの仕事を提供し、宇宙産業におけるワロップスの長年の重要性をさらに強固なものにするはずだ。

バージニア州はワロップスNASAの施設の拡張と改善のために約4500万ドル(約52億円)の資金を計上済みだが、まだ議会で審議中だと、バージニア商業宇宙飛行局の代表Ted Mercer(テッド・マーサー)氏(米空軍少将、退役)は電話で述べた。

「もし議会で承認されれば、1500万ドル(約17億円)は施設の建設に、3000万ドル(約35億円)は新しい発射台の建設に充てられます」とマーサー氏は述べ、発射台はNeutron専用ではなく、多目的であることに言及した。

当然、早く建設すればそれだけ早く試せるため、ベック氏は「我々はすぐにでもにこの地で着工することを望んでいます」と述べた。

画像クレジット:Rocket Lab

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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