SDGs達成を目指すスタートアップのコンテスト「XTC」初の日本予選が2月26日開催、出場10社が決定

2015年より開催され、例年、世界中から6000社以上がエントリーするスタートアップのコンテスト、Extreme Tech Challenge(XTC)。

XTCの目的は、国連サミットで採択された、17の持続可能な開発目標(SDGs)と連携し、地球と人類とが直面している最大の課題をテクノロジーで解決するスタートアップを発掘し、支援すること。 Lynq、Elevian、Doctor on Demand、Wanderu、Cresilon、Bloomlifeを含む過去の出場企業の累計調達額は440億円にもおよぶ。

XTCの7つの審査カテゴリは、SDGs17課題を集約した7カテゴリーだ。それらは、「AGTECH、FOOD & WATER」、「CLEANTECH & ENERGY」、「EDUCATION」、「ENABLING TECHNOLOGIES」、「FINTECH」、「HEALTHCARE」、そして「TRANSPORT & SMART CITIES」。

今年は、6月にパリで開催される決勝戦に向け、日本で予選、JAPAN COMPETITION 2020が開催される。2月26日にNagatacho GRiDで開催される日本予選では、書類審査を突破した10社のスタートアップが、日本代表として決勝に進むことのできる、2枠のシード権を巡って争う。シード権を獲得した2社は、パリで開催されるVivaTechnologyのメインステージでピッチを披露することになる。

本日、そんなXTCの日本予選に出場する10社のスタートアップが発表された。

コンテストの審査員を務めるのは、TomyK代表でACCESS共同創業者の鎌田富久氏、立命館大学の情報理工学部で教授を務める西尾信彦氏、IT-Farmのジェネラルパートナー白井健宏氏、Plug and Play Japanの小林俊平氏、そしてXTC Japanのメンバー1名。

当日は、「ソーシャルインパクト投資」、「日本のSDGsの現状」、「世界規模で事業を展開する企業の作り方」などをテーマとした、専門家による特別講演も行われる。XTC主催者、そしてTreasure Data創業者、芳川裕誠氏の登壇が決定している。

XTC JAPANが目指すのは、日本におけるインパクト投資の活性化、そしてグローバル課題の解決、ならびに海外進出を目指すスタートアップの支援。

XTC JAPANは、日本のソーシャルインパクト投資市場は微増に留まっているのが現状。一方、グローバルではソーシャルインパクト投資の投資残高は急速に増加しており、昨年4月での推定残高は5020億ドル(約55兆円)と、2018年から倍以上に増加したとも言われている、と説明。

そして、日本では数少ないユニコーン企業ですら、海外進出に苦戦している。また、日本はマーケットが小さいため、ある程度までしか成長しないという課題もある、と指摘している。

IT-FarmのパートナーでXTC Japanの企画、後援を務めている春日伸弥氏は「『グローバル課題の解決』。それが全てだ。グローバルの課題を、テクノロジーを使って解決する。そのために、スタートアップを、資金やパートナーシップなどにより支援する」と話す。

春日氏いわく、今回の初の日本予選では「結果的に、日本国内でなく世界に目を向けているスタートアップからの応募が集まった」。同氏は2月26日のイベントが起点となり、前述のようなSDGs達成を目指すスタートアップが、例えば大企業と繋がることにより、エコシステムが活性化することを期待している。XTC Japanでは現在、一般参加者向けのチケットを販売中だ。

投稿者:

TechCrunch Japan

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