Skylockは、ソーラー電力のスマート自転車錠(Velo Labs製)

かつて知能をもたなかった物体がCPUや加速度計や無線通信機を備えるようになったこの世界に、自転車を盗まれないように考えられたスマート錠を作る人が出てくるのは時間の問題だった。

実際、すでに何人かの人たちがそれは良いアイデアだと考えた。例えばTechCrunch Europeのスタートアップバトルの最優秀賞に輝いたLock8もその一つだ。

しかし、これらの新しい自転車錠の中に、元ボーイングとJawboneのエンジニアによってデザインされたものはなかった。そう、美しさと機能を兼ね備え非常に役立つモノを作る人々だ。そして、Velo Labsの連中がやったのはまさにそれだ。

もしVelo Labsの名前に聞き覚えがあるとしたら、恐らく本誌が以前取り上げたからだろう。その昔、彼らはスマート電動自転車のプロトタイプを作り、John Biggsが数年前のMaker Faireで見つけた。その自転車は触覚フィードバックによって衝突を回避し、スマートフォンを通じてルート発見を楽にするはずだったが、製品化されることはなかった。

代わり彼らは次の最高作品を作ることにした ― 大切な自転車を盗まれないための、本当にすごいスマート自転車錠だ。

では、Skylockのどこがすごいのか? まず、頑丈な二重施錠システムによって盗難を抑止する。内蔵の加速度計を利用して、誰かが一定時間以上錠前をいじっていると、盗難アラームが働いて所有者に知らせる。

同じ加速度計は、自転車の走行中にも使用され、走行者が事故にあったことを検知する。低電力BluetoothとWiFiを利用し、スマートフォンと連動して事故の際には緊急連絡先の友人たちにメッセージが送られる。

そしてこの錠は「スマート」でありながら、動作させるために常に充電が必要なバッテリーに頼らない。ソーラーパネルによって必要なエネルギーが供給されるからだ。1時間の日光で1ヵ月分の電力が得られる。

さらに、利用者はSkylockを使って自転車シェアにも参加できる。自転車を貸し出した時、他の利用者が解錠できるしくみがあるからだ。料金の徴収も可能で、価格は需要と場所で決まる。

さて、すべてが魅力的だが、Skylockはまだ手に入らない。量産に必要な資金を集めるために、Velo Labsは自社のウェブサイトでクラウドファンディングを募っている。小売価格は249ドル(かなり高い)を予定しているが、早期支援者は159ドル(多少まし)で入手できる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。