Snapは第2のTwitter化している―ポリシーの根本的見直しが必要

Twitterは2013年にユーザー数が急激に頭打ちになったときにビジネスとして行き詰った。TwitterはFacebookを始めとするライバルからいくつもの機能をコピーしたが、これはかえってユーザーが求めるコンテンツを発見することを難しくした。選択を加えない単純な新着順のTwitterのフィードはもともとユーザーが望みのコンテンツを発見しにくかった。次の四半期にもユーザー数の伸びの低下が続くとTwitterの株価は18%下落した。

今日(米国時間5/10)、上場後最初の四半期決算の発表を受けてSnapchatの株価は暴落した。Facebookと激しく競争する中、Snapの選択を加えない単純な新着順のフィードも望みのコンテンツを発見しにくかったからだ。Snapの株価も24%下落した。

しかしTwitterは株価急落から4年経って再び成長し始めた。Twitterは根本的なプロダクト・ポリシーの一つを捨てることをとうとう決断した。それは「選択を加えいない単純な新着順フィード」だ。Twitterはフィードの表示に単純な新着順を廃止し、アルゴリズムを導入した。フィードはユーザー別にもっとも適切な投稿がトップに表示されるようカスタマイズされることになった。親しい友だちの投稿など関心が高いはずの投稿が目立つ位置に表示される。その結果、2017年の第1四半期にTwitterは久々に成長を回復し、900万人の新規ユーザーを加えることに成功している。

今日Snapは今期800万の新規ユーザーを獲得し、成長率は5%だったと発表した。残念ながらこれは2016年第4四半期のユーザー数158万、成長率3.2%という数字とほとんど変わらない。この間、 InstagramはStoriesをコピーしSnapchatの成長を妨げた。株式市場はSnapの現状に対して強い不満を表明している。

SnapchatとCEOのEvan Spiegelはそろそろ歴史から教訓を得るべきだろう。 なるほどSnapの反Facebook哲学は「消えるメッセージ」を産み出した。Facebookのチャットがメールに似て恒久的であるのに対してSnapchatのメッセージは24時間でタイムラインから消滅する。しかし手を加えない単純な新着順のStories表示はユーザーにとって非常に使い勝手が悪いものになっている。セレブや知り合いなどフォローしている相手の投稿の洪水に本当の友達からのメッセージが埋もれてしまう。
Snapchatのアルゴリズムを使わないフィードはユーザーを窒息させてしまうと先月私は警告した。

なるほど昨日発表された消しゴム機能、Magic Eraserや最近の3D拡張現実、World Lensesなどはよくできている。しかしそうした新機能ではSnapchatが使い難くなっているという根本的な問題の解決にはならない。世界のティーンエージャー、あるいはそれより上の世代のユーザーに対してSnapchatを使いやすく再び魅力的なものにするためには根本的なサービス哲学の見直しが必要だろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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