SoftBankは傘下のSprint株買い増しへ――T-Mobileとの合併は正式に破談

先週、アメリカの大手携帯網2社の合併交渉が正式に中止された。

SprintとT-Mobileはここ数か月、合併に向けて交渉を続けてきたが、ついに交渉を破棄することとなった。

土曜に両社は共同声明を発表し、「われわれは相互に利益となるような一致点を見出すことができなかった」と発表した。

この発表に先立って、先週、交渉は決裂寸前だという観測が流れていた。これは合併後の経営の主導権に関してSoftBank Groupが所有するSprint側が懸念を示したからだとされる。合併破棄のニュースにSprintとT-Mobileの株価はどちらもダウンした。

SoftBankはすでにSprint株の82%を所有しているが、交渉破棄を受けてさらにSprint株を買い増し、85%とする方針を明らかにした。

SoftBank Groupの会長でSprintの会長、CEOの孫正義氏は声明で「アメリカのオンライン世界は何十億ものデバイスとセンサーが結びつけられる新しいモバイル時代に入りつつある。世界的水準のモバイルネットワークを所有、運営することはあらゆるものごとを結びつけるというわれわれのビジョンの中心であり続ける」と述べた。

SprintとT-Mobileの統合が失敗したのはこれが最初ではない。両社は2014年に統合を試みたが、規制をクリアできず失敗に終わっている。

情報開示:TechCrunchの親会社、VerizonはSprint、T-Mobileとビジネス上競争する立場にある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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