SonyはMWCで新機種発表とともに近未来機の超低照度撮影技術を紹介、Samsungを意識

今朝(米国時間2/26)のSonyの記者会見は、慌ただしかった。同社は新しいスマートフォン2機種と、Xperia Ear Duoの紹介を、わずか1時間にまとめてしまったのだ。とはいえ、これだけ早いと、すっきり爽快でもある。でも一つだけ、“まだもうひとつあります”(“one more thing”)があり、将来のカメラ技術として、非常に暗いところでも撮れるカメラが紹介された。

そのニュースは何よりも、前の晩のSamsung Galaxy S9の発表を意識しているようだった。発表のステージでは、昨年の旗艦機の960FPSの動画撮影機能が、超スローモーションではSamsungに勝(まさ)る、と勝ち誇ったように紹介された。もちろん、業界通の人なら誰もが知ってるように、Xperiaスマートフォンはあまり売れていない。だから性能でトップであることは、単純に同社の技術の誇示なのだ。

しかしそうではあっても、テクノロジー系ジャーナリストたちのオーディエンスを前に、今同社が取り組んでいる低照度撮影の技術を紹介し、二つのデモを見せることには十分意義がある。もちろん新製品のXperia XZ2にも独自のカメラ機能がある…いちばん目立つのは4K HDRのビデオ撮影だろう。でも、暗いところで撮るためにSonyの機種に期待している人は、しばらく待たなければならない。

一方Samsungは、S9のデュアル口径レンズで、低照度問題に有効に対応しようとしている。それは何よりも、同社が最近リリースした折りたたみ式スマートフォンからの応用だ。そしてSonyのその新製品も、デュアルレンズ方式だ。それは、長年カメラメーカーでもあったSonyが、初めて取り組む技術だ。

Sonyからの今回の情報は、あまり多くない(主役は二つのスマートフォン新機種だから)。でもとにかく、その低照度撮影の能力は、すごいらしい。暗いところでの撮影、それは長年、スマートフォンのカメラの大きな弱点だった。同社によると、新しい技術による撮影能力は、写真で最大ISO 52100まで、ビデオで最大12800まで可能、ということだ。

しかしSamsungとZTEも、低照度撮影を新機種の主要なセールスポイントにしている。そもそもソーシャルメディアに投稿される写真は、バーやレストランなど、暗い場所が多い。そんな場所でくっきりシャープな写真が撮れるなら、すばらしいことだからね。

その低照度技術が実装されたSonyの、あるいはサードパーティ製の、新しいスマートフォン機種の発売スケジュールなどは、何も話がなかった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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