SpaceXの大型ロケット「Super Heavy」と宇宙船「Starship」が初めて合体、全高120mは史上最大

SpaceX(スペースX)は、完全再使用型ロケットシステム「Starship(スターシップ)」の開発において、新たに大きなマイルストーンを達成した。同社は、29基のRaptor(ラプター)ロケットエンジンを全搭載したSuper Heavy(スーパーヘビー)ブースターのプロトタイプの上に、6基のエンジンを搭載したStarship宇宙船本体を設置するスタック試験を完了した。合体した宇宙船は、これまで開発されたロケットの中で最も全高の高い組立式ロケットとなる。

テキサス州南部にあるSpaceXの開発拠点で行われたこのスタッキングは、Starshipシステムを構成する2つの要素が初めて1つになったという点で重要な意味を持つ。これは、次のStarshipプロトタイプをテストミッションで打ち上げる際に使用される構成で、軌道到達が期待されている。

この巨大な複合ロケットシステムは、全高が約400フィート(正確には約390フィート、約119m)に達し、それが乗っている軌道発射台と合わせると、全体で約475フィート(約145m)となり、ギザの大ピラミッド(138.74m)よりも高い(牛久大仏は全高120m)。

スタッキングの実現は目覚ましい成果だが、この状態は長くは続かないはずだ。次のステップは、ロケットシステムの2つの部分を再び分離して、より多くの作業、分析、テストを行い、最終的な軌道飛行打ち上げテストに向けて再組み立てすることになると思われる。

軌道投入の打ち上げテストがいつ行われるかについては、現時点では明らかになっていない。解体、試験、再組み立てには時間がかかるはずだが、同社が年内の実現を目指していることは間違いない。

上のストリームはNASASpaceflightが配信したもの。

【更新】SpaceXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、Starshipシステムの2つの部分が分離された後の次の作業についての詳細を明らかにした。同氏はツイートの中で、システムの次の課題はStarship宇宙船に最終的な耐熱シールドタイルを追加することであり、この作業は約98%完了していると付け加えた。他にも、ブースターエンジン、地上の推進剤貯蔵タンク、宇宙船のQDアームに熱保護を加えることも今後やるべきことのリストに含まれているという。

もちろん、SpaceXがStarshipを飛行可能な状態にするために越えねばならないハードルはそれだけではない。同社は、米国連邦航空局(FAA)から打ち上げライセンスを取得する必要がある。これは規制当局が環境アセスメントを完了するまで実現できないが、そのプロセスには数ヶ月かかる可能性がある。

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カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXStarshipSuper Heavy宇宙船イーロン・マスク

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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