SpaceXの巨大ロケット、Falcon Heavy、ケープカナベラルで最終調整中

SpaceXは新しい巨大ロケット、Falcon Heavyを2017年中に打ち上げることできなかった。しかしこのモンスターはフロリダ州ケープカナベラルに到着し、打ち上げを控えて各種のテストが行われている。これには静止状態でのエンジンのフル出力テストや最終組立が含まれる。テスト飛行は来年早々に予定されている。

SpaceXのCEO、イーロン・マスクはケープカナベラルの同社施設でほぼ組み立てを終えたFalcon Heavyの写真を公開した。今後ロケットの先端にフェアリングやペイロードが取り付けられることになる。横に3本並んでいるのはそれぞれが9基のMerlinエンジンを搭載したブースターだ。このブースターは基本的に現在打ち上げに用いられているFalcon 9のブースターと同じものだ。しかも左右に取り付けられたブースターはSpaceXの過去のミッションですでに飛行したブースターだという。

Falcon HeavyはSpaceXの新しいハイキャパシティー打ち上げシステムで、最大63トンのペイロードを低軌道に投入する能力がある。SpaceXは1回のミッションで多数の衛星を打ち上げることができるようになる。あるいはまったく新しい大型のペイロードを扱う能力も得る。

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SpaceXではFalcon Heavyのテスト飛行を来年1月に予定している。ペイロードはマスクの愛車、Teslaロードスターだという。最初はジョークだと思われていたが、そうではなかった。もちろんFalcon Heavyの初打ち上げは花々しい大爆発に終わる可能性もなくはない。マスク自身が過去に「ロケットにはいつも打ち上げ直後に炎上する可能性がある」と警告していたとおりだ。

新しいロケットのテストには大きなリスクが付きものだ。Falcon Heavyのような強大な推力のモンスターとなれば、それがどのように作動するかは、いかに地上でテストやシミュレーションを繰り返しても、実際に発射してみる以外に知るすべがない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+