SpaceXの最初の有人宇宙飛行は早ければ5月にも実施へ

SpaceXのCrew Dragonは有人宇宙飛行の実現にごく近いところまで来ている。先月にIFAと呼ばれる飛行中に乗員を脱出させるテストに成功し、主要なテストをすべてクリアした。SpaceXと発注者のNASA.はDemo-2と呼ばれる有人飛行のテストに進む予定だ。

我々が得た情報では、SpaceXは今年の5月7日にこの有人宇宙飛行テストを予定しているという。この日時は仮のものだが、ニュースを最初に報じたArs TechnicaのEric Berger(エリック・バーガー)氏によれば、スケジュールは遅くなることも早まることもあり得るという。

これ以前にもSpaceXの宇宙船が実際の飛行に極めて近づいていることをわれわれはつかんでいた。先週のGAO(米国会計検査院)のレポートは商用有人宇宙飛行プログラムの進捗状況について詳しく説明しており、Crew Dragonカプセルの有人飛行テスト、Demo-2ミッションは「当初予定されたいたより3ヶ月早く完了するだろう」と述べていた。

Demo-2はその名のとおりCrew Dragonにとって昨年3月に行われたDemo-1に続く2回目の実証ミッションだ。昨年のミッションでは、Crew DragonカプセルはFalcon 9で打ち上げられ、ISS(国際宇宙ステーション)にドッキングして物資を補給した後、大西洋上に安全に着水した。ただしこのミッションではカプセルは無人で地上から遠隔操縦された。

Demo-2ではNASA の宇宙飛行士、Doug Hurley(ダグ・ハーリー)氏とBob Behnken(ボブ・ベンケン)氏の2人が乗り込むことになっている。2人にとってはこれが3回目の宇宙飛行となる。Demo-2の飛行内容はCrew DragonでISSを往復することで、Demo-1とほぼ同内容だが、今回は有人飛行であることが大きな違いだ。NASAのJim Bridenstine(ジム・ブラデンスタイン)長官は最近、「宇宙滞在の期間を当初計画していた2週間よりも延長するかもしれない」と発表している。これは現在ロシアのソユーズを利用して行なっているISS乗員のローテーションをCrew Dragonで実施しようとするものだ。

宇宙計画では計画の変更は付き物だが、予想外の事態が起きないかぎり上に述べたようなスケジュールでDemo-2は実施されるものと思われる。

画像:SpaceX

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(翻訳:滑川海彦@Facebook