SpaceXのDragon補給船、無事帰還――12回目のISS物資補給任務も成功

SpaceXはDragon補給船がISS(国際宇宙ステーション)から実験資料などを搭載して無事に地球に帰還したことを発表した。カプセルは予定通り太平洋に着水したという。Dragon補給船はSpaceXのCRS-12補給ミッションにより8月にISSに向かって打ち上げられた。

Dragonは各種の実験機材を搭載していたが、なかでも重要だったのはHPE(Hewlett Packard Enterprise)が開発したスーパーコンピューターだ。これはハードウェアは強化せずソフトウェアのみ強化したもので、こうした構成で宇宙の厳しい環境に耐えることができるかどうかを実験することになっている。

DragonはISSに約1ヶ月間接続され、その間に各種の実験結果などの物資を積み込んで地球帰還軌道に入った。上層大気での減速、パラシュート展開などもすべて予定どおりだったということなので、貴重なペイロードは地球の科学者たちによって精査されることになるだろう。

今回のミッションはSpaceXにとってISS補給の12回目の成功となる。今回用いられたDragonは新品のカプセルとして最後のものとなる。SpaceXでは今後は補給ミッションで回収したカプセルを再利用していくという。

SpaceXがDragonカプセルを最初に再利用したのは今年の7月だ。イーロン・マスクは、「今のところ再利用は〔使い捨て方式に比べて〕まだ経済的なメリットを得るところまでいっていない」と認めたものの、今後再利用技術が進展するにつれて経済性は大きく改善されるだろうと述べた。Dragonカプセルやブースターの再利用間隔はさらに短縮され、プロセスも効率化されていくものと思われる。

注:トップ画像のDragonカプセルはSpaceXのCRS-10ミッションで使用されたもの。同社は今回のCRS-12ミッションで使用されたカプセルの写真を公開していない。写真の公開は一連の回収作業が完了した後になるものと思われる。

〔日本版〕NASAもCRS-12補給カプセルの着水を確認。ただし同サイトの写真も以前のミッションのストック写真。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+