Spotifyがラジオ放送をオンデマンドオーディオ化するポッドキャスト技術のWhooshkaa買収

Spotify(スポティファイ)は、ポッドキャストのホスティング、管理、配信、プロモーション、マネタイズ、測定のためのオールインワンプラットフォームであるオーストラリアの会社のWhooshkaa(ウーシャカア)買収し、ポッドキャストへの投資を引き続き継続している。この買収は、Spotifyがポッドキャストテクノロジー市場において、2020年行ったホスティングおよび広告会社のMegaphone(メガフォン)の買収、そして最近ではポッドキャスト発見プラットフォームであるPodz(ポッズ)の買収に続くものだ。

また、現在はSpotify Greenroom(スポティファイ・グリーンルーム)という名のBetty Labs(ベティ・ラボ)のAnchorやライブトークショープラットフォームといったクリエイター向けツールや、Gimlet(ギムレット)、Parcast(パーキャスト)、The Ringer(リンガー)といったポッドキャストスタジオも買収している。

WhooshkaaによってSpotifyは、ラジオ放送局が既存の音声コンテンツをオンデマンドのポッドキャスト番組に簡単に変換できる専門技術という新しいツールを手に入れたことになる。Megaphoneはすでに、ポッドキャスター向けにホスティング、配信、レポート、マネタイズなどの一連のツールを提供しているが、Spotifyが最も関心を持ったのはこの部分だった。Spotifyは、この「ブロードキャスト・トゥ・ポッドキャスト」技術をメガフォンに直接統合するという。

Spotifyは、Wooshkaaのポーティング機能によって、より多くのサードパーティーコンテンツがSpotify Audience Networkに参入でき、広告パートナーへのリーチとインパクトを高めることができると考えている。Spotifyのこの部分のビジネスは、スケールアップしている。同社は2021年に広告収入10億ユーロ(約1280億円)のマイルストーンを通過し、Spotifyは第3四半期に過去最高の広告収入を計上した。

現在、Spotifyの広告主の5人に1人がSpotify Audience Networkを利用しており、加入したMegaphone Podcastのパブリッシャーでは、フィルレートが2桁増になったとSpotifyは述べている。

2016年に立ち上げられたWhooshkaaは、テキスト読み上げ、音声合成、コネクテッドホーム統合、ダイナミック広告挿入技術、エンタープライズグレードのプライベートポッドキャスティングツールなどの分野でもイノベーションを起こしたと、CEOのRob Loewenthal(ロブ・ロウェンサル)氏は同社ブログでの独自の発表で述べている。しかし、Spotifyが月間3億8100万人のリスナーを抱えているため、Whooshkaaはその技術をより多くの人々に提供することができるようになるのだ。

「私たちは、デジタルオーディオの世界的な成長の可能性は、まだほとんど手つかずであると信じています。これらの新しく加えられたツールやそれを支える革新的なチームを通じて、クリエイター、パブリッシャー、広告主がこの機会の価値を実感できるよう支援するという当社のコミットメントを強化します。Whooshkaaとともに、我々はあらゆる種類のオーディオパブリッシャーのポッドキャストビジネスの成長を支援する取り組みを強化し、広告主が視聴者に到達するのを支援する我々の能力を拡大します」。と、Spotifyのコンテンツ&広告ビジネス最高責任者のDawn Ostroff(ドーン・オストロフ)氏は、この取引に関する声明で述べている。

Spotifyは、取引条件の共有を拒否し、Whooshkaaの既存の顧客のための移行計画についてはまだコメントできなかった。この取引の一環として、合計12名がSpotifyに入社する予定だが、彼らは引き続きオーストラリアに拠点を置く予定だ。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

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TechCrunch Japan

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