SpotifyがラジオDJ風の番組フォーマットを拡大「Music + Talk」としてグローバル展開、日本でも利用可能

Spotify(スポティファイ)は2020年秋、音楽とスポークンワードコメンタリーを組み合わせた新しいフォーマットを導入した。これによりクリエイターは、再生しようとしている曲についてDJや音楽ジャーナリストが自分の見解を語ってくれるラジオのような体験を再現することができる。現地時間8月18日、同社はこのフォーマットを「Music + Talk」と名付け、ポッドキャスティングソフトウェア「Anchor」を通じて世界中のクリエイターに提供開始した。

このようなブレンドオーディオ体験を提供したいクリエイターは、Spotifyの7000万曲におよぶフルカタログへのアクセスを提供するAnchorの新しいツール「Music」を使い、スポークンワードオーディオ番組に曲を挿入できるようになった。Spotifyによると、この新しいタイプの番組では、Spotifyの他のプラットフォームと同様に、トラックがストリーミングされるとアーティストに報酬が支払われる。また、ユーザーは番組内の音楽コンテンツに対して、お気に入りする、曲の詳細情報を見る、保存する、共有するなど、通常の操作を行うことができる。

一方、番組自体は、Spotifyの無料会員とプレミアム会員の両方が視聴できる。有料会員はこれらの番組を聴く際にフルで曲を再生できるが、無料ユーザーの場合、ライセンス権の関係で30秒の曲プレビューしか聴くことができない。

このフォーマットは、2019年に導入された、同じく音楽とポッドキャストを組み合わせたPandora(パンドラ)の「Stories」をやや彷彿とさせる。ただしPandoraの場合は、アーティストが音楽に自らコメンタリー(曲のインスピレーションについて語るなど)を加えられるようにすることに重点が置かれていたが、Spotifyでは、誰もがお気に入りのプレイリストにオーディオコメンタリーで注釈を付けられるようにしている。

Spotifyによると、2020年のローンチ以来、ユーザーからのフィードバックを受けてこの製品には多少の調整が加えられたという。現在では、1つのエピソードの中で音楽とトークのセグメントを視覚的に明確に区別し、エピソードページに音楽のプレビューを掲載している。SpotifyはTechCrunchに対し、これまでにクリエイターがこのフォーマットを使って「何万」もの番組を制作したと述べているが、現時点では正確な数は明らかにしていない。

「Music + Talk」番組を制作する機能は今回のグローバル展開に先立ち、米国、カナダ、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドなど、一部の市場で提供されていた。

今回の拡大により日本、インド、フィリピン、インドネシア、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、オランダ、スウェーデン、メキシコ、ブラジル、チリ、アルゼンチン、コロンビアなど、多くの主要国のクリエイターが利用できるようになった。これにともない、SpotifyのMusic + Talkオリジナル番組のカタログもアルゼンチン、ブラジル、コロンビア、チリ、インド、日本、フィリピンの番組が新たに追加される。

またSpotifyは、独自のSpotify Original番組である「Music + Talk.Unlocked」を立ち上げ、この機能のマーケティングをより強力に開始する予定だ。同番組では、このフォーマットを試してみたいと考えているクリエイターにヒントやアイデアを提供していく。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Spotify音楽ストリーミングクリエイター

画像クレジット:Spotify

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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