Spotifyが曲と完全同期したリアルタイムの歌詞表示をテスト中

iOS 13からAppleはApple Musicに曲と完全に合った歌詞を加えた。そして今度はSpotifyの番か。国際市場の何人かのユーザーが、Spotifyのモバイルアプリで同じように同期した歌詞を見たことを報告している。歌詞が曲に合わせてスクロールするのだ。ツイートのスクリーンショットによると、その機能はMusixmatchが提供している。SpotifyはTechCrunchに対して「この機能は今いくつかの限られた市場でテスト中である」と確認した。

Spotifyは具体的に地域の名前を挙げなかったが、カナダとインドネシアとメキシコがテスト市場に含まれるらしい。

この機能は再生コントロールの下にあり、Behind the Lyrics(歌詞の裏側)やStoryline(ストーリー)など、そのほかの拡張機能と並んでいる。ユーザーの報告によると、歌詞は全画面モードでも見られる。ここ米国では同じ体験を再現できなかったから、テスト市場に含まれていないのだろう(下図のツイートの言語はインドネシア語とスペイン語。内容は「Spotifyに歌詞が突然現れた」など)。

Spotifyはデスクトップでは数年前から歌詞をサポートしていたが、その後その機能はなくなった。ユーザーは何度も何度も、それが戻ってくることを求めた。たとえばSpotifyのユーザーフィードバックコミュニティでは、「歌詞を戻せ」というリクエストの賛成票が1万4300票にも達した。Spotifyはリクエストに応えようとしなかったが、Geniusを統合した機能Behind the Lyrics(歌詞の裏側)を指示した。

しかしGenius提供のその機能は歌詞全文ではなくて、歌詞とストーリーを組み合わせた注釈だった。それなりに勉強になるし、楽しくもあるけど、その歌がなんと言ってるのか知りたいという欲求は満たしてくれない。

現在Spotifyのデスクトップもモバイルアプリも、日本を除いては歌詞をサポートしていない。今回のようなテストはときどきやっているから、これも近日中にローンチするというサインではない。

歌詞を提供しないというSpotifyの決定は、Apple Musicに有利に働いている。Spotifyの今の有料ユーザー数は1億1300万で、Apple Musicは6000万だから、歌詞のあるなしが決定的な競争要因になることはないだろうけど、ユーザーのつなぎとめには貢献するだろう。歌詞のないサイトに移行したい人は、たぶんいないから。Alexaデバイスに音楽と歌詞を統合したAmazonも、Spotifyの歌詞なしポリシーに助けられている。

Spotifyのスポークスパーソンは「同期する歌詞は目下テスト中である」と確認した。「確かにこの機能は目下、少数の市場でテストしております。Spotifyでは常に、さまざまな新しいプロダクトやユーザー体験をテストしていますが、現時点でシェアできるニュースはございません」。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa