Spotifyが独占公開とオリジナルのポッドキャストに自動文字起こし機能を追加

Spotifyが同社サービス上のポッドキャストを文字起こしする第一歩を踏み出す。米国時間5月18日、同社はSpotify独占とオリジナルの番組で自動文字起こしをする機能の限定ベータ版をまもなく公開すると発表した。将来的には同社プラットフォームで公開されている全ポッドキャストで文字起こしができるようにすることを目指す。同社はこの発表と同時に、リーダビリティや文字サイズ変更などアクセシビリティ機能の向上もいくつか発表した。

この新しい機能によりSpotify独自の番組に自動で文字起こしが生成され、ユーザーはiOSとAndroidデバイスで音を出していてもいなくてもポッドキャストのテキストを読むことができる。

文字起こし機能はアクセシビリティの観点から有用だろう。聴覚障がい者も含めてこれまでより幅広いオーディエンスがオーディオのプログラムを利用しやすくなるからだ。そしてすべてのリスナーにとって、早送りや早戻しで探さなくても話の特定の箇所にこれまでより簡単にジャンプできるようになる。

画像クレジット:Spotify

文字起こしをスクロールし、任意のパラグラフをタップしてそのカ所からストリーミングを開始できるとSpotifyは説明している。

Spotifyが言っているようにポッドキャストライブラリすべてで文字起こし機能を利用できるようになれば、ポッドキャスターが番組の文字起こしをして自分のウェブサイトで公開する作業が必要なくなる。代わりに、Spotifyで文字起こしを利用できるとリスナーに知らせるだけでいい。しかも他社製の文字起こしアプリを使う必要がなくなり、Appleのポッドキャスト文字起こし検索にも対抗できる(Appleは最近Podcastアプリに投資して再デザインしサブスクリプションも発表したことから、文字起こしに関しても近い将来のアップデートを準備しているかもしれないと見られる)。

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Spotifyによると、文字起こし機能は「今後数週間」以内に公開される。

Spotifyは文字起こし機能のベータ版とともに、リーダビリティの改善についても発表した。これはボタンの色やテキストの書式と大きさを調整して、ロービジョンなどの視覚障がいを持つユーザーが再生開始やシャッフル再生などアプリ内のさまざまなボタンを見やすくするための改善だ。

また、SpotifyはDynamic Typeというシステム全体のテキストサイズの変更にすでに対応しているが、今後はiOSの「設定」でテキストをさらに大きくできるようになる(「設定」→「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」をタップし「さらに大きな文字」を有効にしてスライダをドラッグする)。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Spotifyポッドキャスト文字起こしベータ版アクセシビリティ

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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